宝塚歌劇の2021年を振り返る 増えた「日本物」と斬新演出、有料配信も定番に

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若手演出家が開花した「夢千鳥」

   前出の本公演の他にも宝塚バウホールや地方公演などで作品が上演されたが、大きな反響があった1作が宙組・和希そらさん主演のバウホール公演「夢千鳥」(4月22日~25日)だった。栗田優香氏が初めて脚本・演出を担当し一本立ちを果たした。和希さんが竹久夢二を演じつつ、夢二を主人公にした映画を撮ろうとする映画監督の白澤優二郎を一人二役で演じる難役に挑んだ。

   竹久夢二の生涯を、現代の価値観では放埓にも見える女性遍歴も含めて描き、耽美な夢二の世界を表現した本作は、豪華なドレスもない大正時代のシンプルな着物やスーツでも重厚な脚本で観客を惹きつけたが、公演期間中に緊急事態宣言発令で千秋楽前に中断となってしまった。

   しかし無観客上演を収録したディレイ配信がRakuten TVとU-NEXTで実現。舞台を観られなかったファンの記憶にも残り、フィナーレも含めて栗田氏の手腕に期待が高まった公演だった。

   また千秋楽公演や新人公演のネット有料配信も恒例化し、プレミアチケットだった公演も映像で気軽に鑑賞できるようになったことも2021年の変化だろう。ただ、5月の緊急事態宣言による休業要請で花組「アウグストゥス/Cool Beast!!」の大劇場千秋楽(5月10日)も無観客となり、華優希さんと瀬戸かずやさんのサヨナラショーが無観客開催になってしまったことはファンにとっては痛恨の出来事だった。

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