消防士は処分されていた
事件から半年以上が経っても、修繕費用をめぐる示談はまとまらなかった。
20年11月に初めて調停での解決を図るが、合意に至らず不成立。喜多館長は自動ドア、ガラスを含む外観、ガラス飛散により損傷したとみられる美術品の修理代などを望んでいる。
調停を重ねながらも特段の進展がないままだったが、21年12月17日。喜多さんがツイッターを始めたことで、動きがあった。朝日新聞・大阪本社近畿版の朝刊に事件に関する記事「酒に酔い警官に暴言、消防士2人処分」が掲載されたのだ。
記事では、当該男性2人が20年3月27日に市消防局から処分を受けていたと明かされた。
1人は警察官に暴言を吐いたとされ市消防長による訓戒処分に、もう1人は文書による厳重注意だったという。当時、市消防局では職員に対し酒類を伴う飲食は避けるよう伝えられていたとする。美術館のガラスを損壊したことも触れられているが、処分との直接的な関係は言及されていない。
喜多館長はこの報道によって男性らが処分されていたことを知った。