妻がしゃがんで夫らにお茶菓子を出すシーンなどが映ったスウェーデン家具「イケア」のCMについて、女性差別に当たるのではないかとの批判があり、反論も出て議論になっている。
妻が夫らの座るソファの後ろに立つ姿にも、嫌悪感を示す向きがあった。イケア・ジャパンは、取材に対し、「社内協議中のため、回答は控えたい」と話している。
妻が夫らの座るソファの後ろに立つ様子も
夫とみられる人の足が映り、床の絵本の上に置かれたドリンクなどを足で引っかけてしまう。すると、ドリンクなどは、おもちゃの上にこぼれ、悲惨な状況になって...。
この動画は、イケア・ジャパンの公式ツイッターに2021年12月7日に投稿された。丸イスのような形でテーブル部分がお盆のように取り外せる商品「グラドム トレイテーブル」(税込1699円)のCMだ。
CMでは、続いて、妻がお盆を両手に持ってしゃがむ姿が上から映され、ポップコーンやジュースを夫と娘が次々に手に取る。終わると、妻は立ち上がって、お盆を夫らが座るソファの横にあるテーブルの脚部分に乗せる。画面には、「あっという間に、いい毎日。この家が好き」というテロップが映し出された。
そして、テレビで映画を見ている夫らの後ろに立って、自分もお菓子を食べながらテレビを見始める。こんな流れだ。
イケアのツイートでは、このテーブルについて、「料理やドリンクをこぼさずに、家の中の好きな場所へ自由に持ち運べる」とPRしていた。
動画が投稿されたこのツイートには、視聴した人たちから様々な意見が寄せられている。
豪イケアのCMは、男性がお盆を持って歩いていた
妻がしゃがんだり、夫らの後ろに立ったりする姿に対し、女性差別に当たるのではないかとの指摘も見られた。「女性を召使い扱いするCMをすぐにやめて貰えませんか? 不愉快です」「家事は女の仕事って意識がまだまだ残ってる」といったものだ。
イケア・オーストラリアでは、公式ユーチューブチャンネルで2018年8月21日に同じ商品をPRするCMを投稿しているが、男性がお盆を持って歩き、テーブルの脚部分に乗せる動きをしている。このCMと比較して、イケア・ジャパンの姿勢を疑問視する向きもあった。
一方で、家庭内の1シーンに過ぎないなどと批判に反論する声も相次いでいる。「その家々の役割分担の差でしかなくて決して性の差ではない気がする」「ジェンダーと結びつけすぎ」といった声が出ていた。
イケア・ジャパンの広報担当者は21年12月27日、J-CASTニュースの取材に対し、「社内で確認して今後の対応を協議しているところですので、この件につきましては、回答を差し控えさせていただきます」と答えた。場合によっては、公式サイトなどで何らかのアナウンスを出す可能性はあるとしている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)
ぼくはソファに座りながら映画を観るのが好きなのですが、近くに好きな飲み物があると最高です????このGLADOM/グラドム トレイテーブルは、料理やドリンクをこぼさずに、家の中の好きな場所へ自由に持ち運べる優れたアイテムなのです✨ #IKEAのサメ #BLAHAJ #小さな部屋にアイデア広がる #この家が好き pic.twitter.com/9UnPmtmH4o
— イケア・ジャパン キャンペーン(公式) (@IKEA_Campaign) December 7, 2021