ツイートまとめサービスTogetter(トゥギャッター)を運営しているスタッフがTwitterで注目された話題を厳選し、考察するコラムの第32回です。2021年最後の更新となる今回は、当連載で紹介してきた「Twitterでバズった話題」を振り返り、その傾向や共通点を考察していきます。
今年Twitterで盛り上がっていて、当連載でもとりあげたトピックをカテゴリー化してみると特に「ネット×恋愛」「生活×ライフハック」「日常×漫画」という組み合わせが目につきました。
Togetter社が解説する「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」<出張版>
ネット上の恋愛系議論はリアルとズレている?
「恋愛系の議論」は毎年のように様々な意見が交わされる、ネットやSNSの定番テーマと言ってもいいカテゴリーですね。
定期的に繰り返される話として、「初デートで格安チェーン店に行くのはアリかナシか」「クリスマスにハート型のネックレスをプレゼントするのはアリかナシか」などが挙げられます。デートに誘う側・誘われる側といった立場の違いや当時者同士の関係性によって多面的な見方ができるため、たくさんの声が生まれるテーマと言えるでしょう。
しかし数年前から議論されてきたこともあってか、2021年は「アリかナシか」だけで終わりませんでした。
デートにお金かけないパートナーに自分の考えを伝えて問題を解決したり、「ネットユーザーにはネガティブな認識が共有されていることも、世間では気にしていない人も多いので振り回されなくてもいい」といった声が目立ったりするなど、「その先に」進んだことが特徴です。
<彼氏にボロボロのホテルでの宿泊を提案され「私との時間にお金かけたくないんだ」→高級ホテルのランチコースを奢った結果 - Togetter>
<4℃の店舗を見たら様々なカップルや夫婦がいて、難癖付けるのはTwitterのごく一部で現実世界は楽しく過ごしてると実感した話 - Togetter>
コロナ禍が続くと家事ハックが流行る?
今年は「家事」にまつわるライフハック情報に注目が集まることも多かった印象です。「カレー鍋などやっかいな洗い物がラクになる方法」や洗濯に関する知識など、具体的かつ実践的なテクニックがバズっていました。
2021年もコロナ禍が続いて自宅で過ごすことが増え、自炊など家事の負担が大きくなったことから、こういった日々の生活に役立つ情報がこれまでより重宝されるようになったと考えられます。
また、防犯に関する情報が注目されることもたびたびありました。
こちらも、在宅の機会が増えたことで、より切実な問題として扱われるようになったのかもしれません。誰かの実体験だからこそ、似たような経験がある人が共感の声をツイートしたり、新たに知ったことを語りたくなったりする心理も働いて、積極的なシェアにつながったのではないでしょうか。
<「この情報無料でいいの...!?」毎日の掃除や整理整頓が時短になるよう心掛けている方の工夫が目から鱗すぎる - Togetter>
<怖い怖い...!アポ無し凸には反応しないように 『今日起きたことがクソすぎるので、注意喚起も込めて内容呟きます。』 - Togetter>
漫画になった「誰かの日常」に集まる共感
Twitterでは毎日のようにたくさんの漫画がツイートされており、人気を博した作品は数え切れません。なかでも日常を描いたものは多くのユーザーの共感を呼びます。
2021年は食事への価値観が異なる夫婦のすれ違いをテーマにした「妻の飯がマズくて離婚したい」が、ユーザーの感想も含めて大きな話題に。ブラック企業勤めのエンジニアが退職するまでを、あるある満載で描いた「100日後に退職する47歳」も注目を集めました。
上記の2作品は注目されてからも連載が続き、話題が長続きしたことも大きなポイントだったと考えられます。次回の展開を予想して、公開時にほかのユーザーの反応を楽しみにしていた人も多いのではないでしょうか。見知らぬ人の日常も、漫画になると感情を揺さぶられて感想を言いたくなるのかもしれません。
<「妻の飯がマズくて離婚したい」に対するみんなの感想まとめ - Togetter>
<【完結】漫画『100日後に退職する47歳』まとめ - Togetter>
こうして2021年にTwitterで話題になったものを振り返ってみると、共通点や傾向として次の3つが挙げられます。
・身近で、共感したり自分の意見が言いやすかったりするテーマ
・シェアしたくなるような発見がある話題
・対立や議論で終わらず、問題解決まで踏み込んでいる
共感や発見があるとシェアが増えてバズにつながるのは、誰もが気軽に発信できるTwitterならではの特徴と言えますね。
オリンピックなど世界的規模のトピックスもありましたが、Twitterでは外出自粛や巣ごもりの影響で、1年を通して生活に密着した話題に関心が集まっていました。来年はどんな話題が注目を集めるのか楽しみです。
以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド出張版」でした。2022年もよろしくお願いいたします!