ソ連は「敵として魅力的に見えたんです」
――津久田さんがソ連に惹かれたきっかけは何だったのでしょうか?
(津久田)「きっかけは『若き勇者たち』という1984年のアメリカ映画でした。映画自体はアメリカの田舎町に突然ソ連軍が侵攻し若者たちが戦うというストーリーですが、そのソ連軍の兵器や軍装がとてもマニアックで、ソ連の軍装品に興味を持ち始めました。ソ連が作る戦争映画はほとんどが第二次大戦が舞台でしたが、それらよりも西側がソ連を描いた映画の方をよく観るようになります。
当時ミリタリー趣味界はやはり日・米・独などのファンが多数派でソ連好きは超少数派で、『就職に不利になるぞ?』と思われることもありましたね」
――それでもソ連が格好いいと感じたのはなぜでしょうか。
(津久田)「『ウルトラマンよりもバルタン星人の格好いいと思った』という感覚でしょうか。敵として魅力的に見えたんですね。強そうで謎めいた国で、人口も兵力もあって兵器も独特で。赤旗や軍服、軍事パレードと統一美や色彩美が面白く映ったのだと思います。アメリカや日本とは国家の優先順位が異なっていて、豊かな生活よりも安全保障が第一の国家でした」