小田急ロマンスカーが「観光列車」でなくなる日 展望車VSEの「早すぎる引退」に見た変化

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展望車がわずか2本に

   現在、ロマンスカーだからといってすべての列車で前面展望が楽しめる訳ではない。ロマンスカー車両のうち前面展望車はGSE2編成とVSE2編成にとどまり、新造がなくVSEが引退すればGSE2編成だけで運用を回さなければならない。

「コロナの影響で観光需要が減り、来春の改正で特急の減便もなされる予定ですので特急施策の変更も考えられるかもしれません。需要の落ち込みが一時的なものであれば代替のGSEの新造も考えられますが、現状小田急からのアナウンスもないので展望車が充当される観光特急は減便のままの可能性もあります」(枝久保さん)

   ロマンスカーは箱根への観光需要と、小田急線内の速達需要のそれぞれのニーズがある。来春の改正では箱根登山鉄道へ直通し箱根湯本へアクセスする「はこね」を減便する一方、朝の新宿方面への通勤特急「モーニングウェイ」と小田急線内小田原までの「さがみ」を増発する。

   「はこね」への充当が多かったVSEの引退分を減便し、増発分は他形式で補う方策のようだ。連接車のVSEは10両固定編成でも358席しかないが、MSEとEXEであれば10両のフル編成で578席が定員であるため収容能力で優り、ピークタイムに運用しやすい。60年近くにわたってロマンスカーのブランドだった「展望車」だが、沿線事情の変化で気付けば少数派となってしまっている。

(J-CASTニュース編集部 大宮 高史)

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