弁護士に見解を聞いた
「弁護士法人 天音総合法律事務所」の正木絢生代表弁護士は23日、J-CASTニュースの取材に、前提として「本件は多くの国が関連する事件であり、どこの国の法律が適用されるかによって異なる結論になる」と断りつつ、発生した利益がアメリカから日本に渡され、日本の法律で処理する場合について次のように述べた。
「今回は、ソニー生命の子会社の口座からカリフォルニアの口座に移されたドルが、ビットコインに変換されていますが、この変換は『犯罪被害財産を隠匿する行為』にあたり、組織財産防止法による没収の対象となります。
没収が行われた場合、全額について、まず国庫に帰属します。その後、ソニー生命に被害回復給付金支給制度によって被害金が返還されることになります。その場合に損害として返還される範囲は、失った財産の価値として検察官が定めた金額です。
そうすると、ソニーの子会社から送金された1億5500万ドルの価値、つまり約170億円の範囲に限られます。返還されなかった部分については最終的に国庫に帰属することになるでしょう」
被害金の送金先が米カリフォルニア州であることから、正木氏は「カリフォルニアで行われた事件としてアメリカの法律で処理される可能性もあるかもしれません」とも補足した。
仮に、利益が最終的にソニー生命保険へ渡った場合は「益金」として課税されることになるという。正木氏は下記のように説明した。
「法人の場合、課税の対象となるのは,益金から損金を控除した金額です(法人税法第22条)。法人に入ってきたお金は全て益金に含まれるので、ソニー生命に30億円が戻るのが確定した場合、その時点で課税の対象になるのです」