プロ野球の横浜ベイスターズ、日ハムで活躍した野球評論家の高木豊氏(63)が2021年12月22日に公開したユーチューブ動画で、日ハムを自由契約になって楽天に移籍した西川遥輝外野手(29)について言及した。
「素晴らしい1番を得ることになる」
公開された動画は西川の「楽天移籍有力」の一報を受けて作成されたもので、高木氏が西川の入団を前提とし楽天の来季構想を独自に予想した。
高木氏は今季の楽天の戦い方に関して「1番バッターと盗塁に苦労していた」と指摘し、「(球団は)1番を打たせたいと思うんだよね。そうなってくると出塁率はどうなんだと。プロ11年間で(出塁率が)3割8分ある。3割8分は相当高いからね。11年間の通算だから。楽天にとってみれば素晴らしい1番を得ることになる」と言及した。
今季、楽天のチーム盗塁数はリーグワースト。リーグトップのロッテ(107個)の半分以下の45個で、来季へ向けて走塁面がひとつの課題でもあった。西川は今季24個の盗塁をマーク(盗塁刺は11)し4度目の盗塁王タイトルを獲得。通算で311個の盗塁を決めている。
高木氏は「塁に出て前にランナーがいなければ盗塁を出す。成功率が8割4分7厘あるならノーアウトランナーセカンドに行くということ。そういう確率が高くなったということ。ということは得点力が上がるということ必然的に」とチームに与える利点を説明した。
「守備のことは考えずに出塁と盗塁の成功率だけを考えて...」
さらに「今年の楽天を見ていると小深田(大翔)と山崎(剛)が主に1番を打ったが、小深田の打率が2割5分ない。今年、西川も2割3分3厘くらいしか打てなくて悪かったが、彼の持っているポテンシャルからいえばそんな数字というのは論外だし、やる気持ってやればもっと高い数字を残せる。格好の1番になる」と続けた。
また、楽天の外野手事情に関して解説し、外野の守備において肩に難のある西川をDHで起用するなどのアイデアを出した。
「楽天の主な外野手といえば島内(宏明)。島内は打点王を取ってるし1枠は埋まっている。辰己(涼介)も10本ホームランを打っている。打率は悪いが。岡島(豪郎)は2割8分くらい打って勝負強さがある」
そして「島内をDHにしてレフトを空けるとかも考えらえる」と前置きした上で、「西川遥輝を1番DHにしてもかまわない。とにかく守備のことは考えずに出塁と盗塁の成功率だけを考えてやってくれという手もある」との見解を示した。
西川「心機一転、また一からやる気持ちです」
高木氏は今季リーグ優勝を果たしたヤクルトとオリックスで1番打者として活躍した塩見泰隆(ヤクルト=28)と福田周平(オリックス=29)を例に挙げ、1番打者の重要性を訴えた。
「1番バッターを得ると得点力は上がってくる。今年の優勝チームを見ると塩見が1番で育った。これがチームをけん引した。福田は交流戦の時に5割くらいの出塁率を誇った。交流戦優勝した。そのまま勢いをもって優勝した。1番は大切なんだよね。そういう意味からすると西川は楽天にとって救世主となる可能性がある」
楽天への移籍が決まった西川は球団公式サイトを通じて「心機一転、また一からやる気持ちです。東北を熱く盛り上げたいと思いますので、楽天イーグルスファンの皆さん、よろしくお願いいたします」とコメントした。