2021年を「お買い物」で振り返ると、どのような年だったのだろう。コロナ禍での「おうち生活」が定着するなかで、少しずつリアルでの消費活動も戻りつつある。
BNPL(Buy Now Pay Later)とも呼ばれる、あと払い業界をリードするサービス「ペイディ」が、1年を振り返るレポートを発表した。ペイディでよく購入された売れ筋商品やトレンドをジャンル別にみてみよう。
上位3つは、どれもファッション系
ペイディはアカウント数710万超、ネット通販など約70万以上のサイトで使えるあと払いサービスだ。メールアドレスと携帯電話番号、SMS で送られてくる認証コードのみで決済でき、後日コンビニ払い・口座振替・銀行振込のいずれかの方法で支払う。「翌月一括あと払い」に加えて、本人確認すると、分割手数料無料(口座振替、銀行振込のみ)の「3回あと払い」も利用可能。今年からはVisaのオンライン加盟店・デジタルウォレット・QR決済でも買い物できる「どこでもペイディ」も利用できるようになった。
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今年の「お買い物」どうだった?
ペイディが2021年12月に発表したレポートによると、「どこでもペイディ」開始によって、QRコード決済やデジタルウォレットを使った、コンビニなどの普段使いやフリマアプリなどでの利用が多くみられたという。
2021年も昨年同様に、スキマ時間でのショッピングが続いている。買われたアイテム上位3つはTシャツ、ニット・セーター、ワンピースと、いずれも衣料品に。ファッションのお買い物は、21時以降や週末がゴールデンタイムとなっている。
ジャンル別にみると、美容・健康は、週の始まりとなる月曜7時に購入する傾向がみられ、韓国コスメが根強い人気のほか、不織布ながら肌色がよく見える「血色マスク」や、マスクで覆われない目元を彩る「まつげ美容液」などが好調だったといい、実用性と両立できる範囲でオシャレを楽しんでいるとわかる。
生活や食では、前年に引き続きレジ袋有料化によるエコバッグ、宅飲み用のお酒などの需要が高い。トラベル関連を見ると、高速バスや航空券の需要が伸びている。ペイディの販売店であるWILLER TRAVELは、新型コロナウイルスの第5波が収束した10月以降、都市部でのライブやイベントの開催数の増加や、テーマパークの入場制限の緩和が需要増を牽引していると推測する。これらの旅行商品は、スポーツ関連とともに、週末での決済が多いそうだ。家電では、昨年と同様にゲーム機の人気が高く、長引くコロナ禍においても積極的におうち時間を充実させる人が多かったという。
これらのデータを振り返ると、2021年は「新しい生活様式」が浸透した結果、消費行動も「限られたリソースの中で、いかに工夫しつつ楽しむか」に変化してきた様子が見えてくる。一方でワクチン接種などにより、かつての経済活動が戻りつつあることもあり、来年以降は「おうち」とリアル消費の両面で、よりお買い物の多様性が進むだろう。
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ペイディは、同サービスの利用者の今年のお買い物傾向をニューノーマルの「"進化系"日常エンジョイ消費」と名付け、長引くコロナ禍でも日常生活において自分らしく賢く楽しくお買い物を楽しむ方が多かったとしている。

リニューアルされたペイディ
ペイディそのものにも、2021年には大きな飛躍があった。どこでもペイディに加えて、初夏には「あと払いプランApple専用」を開始。Apple製品を分割手数料0%(口座振替、銀行振込のみ)で購入できるサービスで、Apple新製品の事前予約が始まった9月17日は、ペイディ全体をみても、今年で一番お買い物された日になった。夏から秋にかけては、アプリとロゴデザインをリニューアル。新アプリでは、アイテム検索から支払いまで、ワンストップでの購入体験もできる。
運営企業の株式会社Paidy(東京都港区)にも変化が。秋にアメリカの決済大手「ペイパル」のグループに入り、これからさらにイノベーションを加速させていくという。決済サービスを超えた「お買い物のネクストスタンダード」を目指す、ペイディの挑戦は続く。
<編集:J-CASTコンテンツ企画ビジネス部>