「『重病と老衰で余命あと1年』と宣告されていたのに...」
ただ、22年1月4日に「ブラジル日報」の創刊が決まっている。発行するのは、NPO法人「ブラジル日報協会」。外国人の人材派遣業などを手掛けるアバンセコーポレーション(愛知県一宮市)の創業者で、移住者や帰国者の支援をする一般社団法人・日本海外協会(東京都港区)の代表理事を務める林隆春氏が出資して立ち上げた。「ブラジル日報」は「ニッケイ新聞」の過去記事の権利や購読者情報を引き継ぐことになっており、実質的な後継紙だ。
「ニッケイ新聞」コラムでは、この感覚を「『重病と老衰で余命あと1年』と宣告されていたのに、突然、神さまが夢枕に立って『若くて健康な別人の身体を与えよう』と言われたような不思議な感覚」だと表現。「襟を正して『日系社会の未来』に今まで以上にまっすぐに向き合う必要性を感じる」とつづった。
現時点で紙媒体の発行が続いている邦字紙は世界中で25紙程度。コロナ禍の影響を受けたのは「ニッケイ新聞」だけではない。カナダの「バンクーバー新報」(1978年創刊)が20年4月に紙媒体を廃刊、ウェブサイトに移行した。フィリピンの「日刊まにら新聞」(1992年創刊)も、21年いっぱいで紙媒体の発行をやめ、電子版のみの発行になる。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)