サッカーの元日本代表MFで横浜FCに所属する中村俊輔(43)が2021年12月18日に公開されたユーチューブ動画で、02年日韓ワールドカップ(W杯)で代表落ちした時のエピソードを明かした。
中村が出演したのは、元日本代表MFの鈴木啓太氏(40)のユーチューブ動画。鈴木氏との対談を通じて、当時の出来事を振り返った。
「俺的な気持ちは『あーやっと終わった』」
97年にJリーグの横浜マリノス(現横浜F・マリノス)に入団した中村は、98年にA代表に初招集された。00年にはU-23日本代表に選出されシドニー五輪に出場。代表では華麗なプレーで輝きを放ち、フィリップ・トルシエ監督率いる02年日韓W杯代表入りが有力視されるもメンバーから漏れた。
当時、中村の代表落ちは大きな話題となり、落選を巡って物議をかもした。
代表落選を受けて行った会見には多くの報道陣が駆けつけた。「(記者が)すごいいて。ビックリするよ。パシャパシャパシャって。階段上がったら(カメラのフラッシュで顔が)熱いのよ。カシャカシャっていうので」と振り返った中村は、当時の心境にも言及した。
「(記者が)泣いてると思ったんじゃない。悲しんでるというか。俺的な気持ちは『あーやっと終わった』と思って。プレッシャーというか肩の荷物が落ちたという感じで、終わったなというか、やり切ったというか。全く悔いはない。手応えあったから。あとはもうトルシエ(監督)が選ぶことだから」
トルシエ監督が中村に求めていたことは...
さらに「選ばれない理由もだいたい分かっていたし。その前から。だからしょうがないなと。だけどいろんなことにトライしていろんな経験もしたし。あと自分で把握してから足りないところを。トルシエが望んでいるであろうことを自分が出来ていなかった。足りないのも分かってから。全部整理出来てたから」と納得しての落選だったことを明かした。
鈴木氏から「トルシエが求めていたことは何だったのですか?」と質問された中村は「フィジカル的なとこ」と即答し、「日本代表は強い国に当たる時に2010年(南アフリカW杯)の時もそうだったけどやっぱり最後戦える選手。岡田(武史)さんがよく言う。そこの部分だったと思う。そういう部分でやっぱり足りなかった」と振り返った。
代表落選について「全く悔いはない」と語った中村だが、心境は複雑だったようで本大会の日本代表戦は観戦しなかったという。「(試合は)見れない。見れないから韓国に逃亡しました。ずっとフランス代表を追いかけていた。(ジネディーヌ)ジダンを見たくて」と語った。
02年日韓大会後にイタリア・セリエAのレッジーナに移籍し、その後日本代表に復帰して06年ドイツ大会、10年南アフリカ大会に連続出場。06年ドイツ大会初戦のオーストラリア戦ではW杯初ゴールを決めている。43歳の中村は現在、横浜FCでプレーしている。