ツイートまとめサービスTogetter(トゥギャッター)を運営しているスタッフがTwitterで注目された話題を厳選し、考察するコラムの第30回です。今回は「作り置きなど、自炊にまつわる話題はなぜバズるのか」を掘り下げます。
Togetter社が解説する「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」<出張版>
先日、匿名日記サービス「はてな匿名ダイアリー」に投稿された「作り置きを食べたくない」という話がTwitterで大きく拡散。共働きの妻だという投稿者の、夫が気を利かせて用意してくれている作り置きの食事に対する考えが赤裸々に綴られており、共感の気持ちや改善策の提案などがたくさんツイートされました。
<「作り置き食べたくない」とひそかに思っていた人たちの意見と改善アイデア - Togetter>
「実は作り置きが好きじゃない」と思っていた人たち
節約・時短につながるとして人気の作り置き。ですが、実際に試してみたところ作り置きのスタイルは「自分には合わない」と感じる人たちは意外に多いようです。
今年の10月には「忙しいときのために作り置きを大量にストックしたものの、食べたい気分じゃないもので冷蔵庫がパンパンになっただけだった」というマンガが話題に。同じ経験をしたことのあるユーザーに刺さったようです。
<料理をする人のジレンマ『作ってるうちに満足しちゃう』『作り置きがなんか違う』そしてたどり着いた折衷案 - Togetter>
作り置きが苦手な人の共通点として、「その日の気分にあった食事を楽しみたい」「消費しなければならないという義務感がツラい」「日ごとに味が落ちてしまう点が嫌」などが挙げられます。
作り置きは毎日の料理の負担が減る一方で、食事を日々の楽しみと考えている人にとっては気分が落ち込んでしまう要因にもなってしまうんですね。こういった問題への解決策としては「メインではなく副菜を作り置きする」「味付けをしないで下処理だけしておく」といった方法が挙げられていました。
節約とクオリティを両立できる人はごく一部?
料理のスキルに注目すると、「節約できて健康的かつ美味しいご飯が作れる」という人は少数なのではないでしょうか。作り置きにはさらに「日持ちさせる必要がある」などの条件が加わってくるため、いちだんと高いスキルが要求されると考えられます。
計画的に材料を使って節約したり、日々の負担を減らしたりすることが作り置きのメリットです。しかし、それを実行できている人は一部の選ばれし者だけだと言えるでしょう。
<『自炊できる』と言っても『料理できる人』の中ではこれくらいの幅がある気がする「選ばれし強者にはなれない...」 - Togetter>
食事に対する価値観のすれ違いはツラい
冒頭で紹介した匿名日記では、食事に対する値観が夫と合わないことで「作り置きを食べたくない気持ち」を理解してもらえないことにも触れていました。「食事は栄養が取れればいい、節約したい」と考える人と「楽しみとして美味しい料理が食べたい」と考える人の相互理解はなかなか難しいようです。
以前にも、「料理が不得意で何を食べても一緒と考える妻」と「美味しい料理を楽しみたい夫」のマンガが大きな話題になりましたね。こちらも食事に対する価値観の相違が離婚を考えるほど大きな溝を作っていました。自炊はパートナーや家族とのコミュニケーションの問題を可視化しやすいのかもしれません。
<「妻の飯がマズくて離婚したい」に対するみんなの感想まとめ - Togetter>
「作り置きを食べたくない」といった自炊の話がTwitterで注目されやすい理由として、次の3つが考えられます。
・自炊は身近な話題なので、自分なりの意見を持っている人が多い
・節約と味のバランスなど自炊が抱える問題は多く、悩みが共有されやすい
・家族やパートナーとの価値観の違いに悩む人が多く、共感を呼びやすい
食事は毎日のことなので、「我慢する」という状態になってしまうと相当なストレスになります。メリットとして何を重視するのか話し合いつつ、お互いに歩み寄れるといいですね。なお、Togetterにはたくさんのレシピまとめがあるのでぜひ参考にしてみてください!
<ご飯がすすむ魔法の常備菜、無限ピーマンのレシピ - Togetter>
<食欲無くてもガンガンいける!ナスを使った夏の常備菜のレシピ「こんな薬味を追加してみたよ!」 - Togetter>
<大量のツナ缶をさてどうしたものか→コックリさん形式で料理研究家のリュウジさんを召喚「しかも未公開レシピで出てきた(笑)」リプ欄もレシピ祭りに - Togetter>
以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド出張版」でした。次回もお楽しみに。