ビッグボスならぬ「ピッグボス」 新庄監督にあやかり登録名変更、独立L選手が地元熊本を盛り上げる

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「愛称のつもりだったんですけど...」

   新庄ビッグボスのように、就任会見を盛り上げたい――。そんな思いで臨んだ会見当日、猪口選手は愕然とする。席に掲示された自身の名前が「猪口雄大」ではなく「PIG BOSS」になっていたのだ。「愛称のつもりだったんですけど...」

   さらに、球団は「PIG BOSS」を正式な登録名に設定。公式サイトに掲載されたプロフィールの体重は「86トン」(本来はキロ)になっていた。猪口選手の「思い付き」に、球団も便乗した形だ。

球団公式サイトに掲載されたPIG BOSSのプロフィール
球団公式サイトに掲載されたPIG BOSSのプロフィール

   会見ではサングラスをかけ「PIG BOSSです。好きな食べ物は豚丼。来年も元気を出して一生懸命頑張ります!」とアピール。その後はファンやスポンサー向けのクリスマスショーや、児童向けの野球教室にも登場し、熊本の人々を沸かせている。

   今では「PIG BOSSって言われたら振り向きます」と、本人もすっかり板についてしまった模様。球団内にはBIG BOSSの略称「BB」を意識してか、「PB」と呼ぶ人もいるそうだ。

   サラマンダーズの地元・熊本生まれのPIG BOSS。高校卒業後は首都圏への進学も考えていたが、地元の東海大九州キャンパスへ進んだ。大学2年の16年4月には、阿蘇市の寮で熊本地震を経験。「死んだのかなと思いましたね。揺れて揺れて...裏の崖が崩れていて、寮は傾いていました。めちゃくちゃ怖かったです」と振り返る。

   19年に入社したゴールデンラークスでは、野球の傍ら、クラブを運営していたスーパー「鮮ど市場」の鮮魚コーナーで魚をさばいた。クラブが改名し、独立リーグに参入する際、神田球団社長から言われた「チームは熊本の公共財だ」という言葉が、今も胸に残っている。

「みんなはプロに行くためプレーしていますが、僕はずっと熊本で生きてきました。熊本のために野球をすることに、日々やりがいを感じています」

   今オフはチームから石森大誠投手が中日ドラゴンズの3位指名を受け、NPB入りを果たした。来季からは兼任コーチとして、選手のNPB輩出も目指す。「選手がNPBに行くことで、チームも盛り上がる。そのために、言葉で、背中でみんなを引っ張っていきたいです。名前を売って、お客さんにも入ってもらって、地道にコツコツやっていかないといけませんね」。

   本家「ビッグボス」とは、まだ面識がないというピッグボス。会ったら、何を伝えたいか。

「ビッグボスはプロ野球を背負っていらっしゃる。僕は"PIG BOSS"として、熊本の街を盛り上げていきます」

(J-CASTニュース記者 佐藤庄之介)

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