「人生終わった」事故から9年 手足3本失った僕が、いま子供たちに伝えたいこと

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この体になった事には何か意味があるはずだ

   小学校講演の少し前には、神奈川県内の中学校でも講演する機会をいただき、僕の経験や大切にしていることの話をさせてもらいました。終わった後、全校生徒約800人全員からの直筆メッセージカードを送ってもらいました。みんなびっしり書いてくれていました。こちらはその一部です。

「山田さんの明るさを感じ取ることができ、私もこれから受験など困難も頑張り、乗り越えようと勇気をもらうことができました」
「いつも色々なものから逃げて言い訳していましたが、それは意味がないことだと教えてもらいました。これから少しずつ自分に正直になろうと思います。本当にありがとうございました」

   僕が子どもたちに対してできるのは「引き出し」の提供です。社会を知り、考え、人や物事を見る視点を増やしてあげること。この手紙を読むと、子どもたちは新しい「引き出し」を得られたんじゃないかと思えました。障害を知ることもそうだし、「手足が3本なくなっても諦めずに挑戦し続けたら、胸を張って生きられるんだ」ということも感じてくれたら嬉しいです。

   僕は手足を失った直後「人生終わった」と思ったけど、だんだんと「まだ残っているものがある」と気付きました。残った体と左手を使えば、自分次第でまだまだ何でもできます。「みんなは手足4本があるなら、もっともっと何でもできる。失敗を恐れず挑戦してみてください」。そんなことも子どもたちに伝えました。

   小中学校の講演は今回が初めてでした。機会を頂けるならじゃんじゃん呼んでほしいです。どこまででも行きたいです。

   僕にできることって、そんなに多くないかもしれません。でも、自分にしかできないこともあると思っています。この体になった事には何か意味があるはずだと、僕自身も思いたい。経験を生かせるなら、僕の話を聞いた人、見た人にとって、何かが変わるきっかけになってほしいです。勇気や希望が持てたとか、僕と出会ったことで前向きな変化が起きてくれれば良いなと思っています。

(構成:J-CASTニュース編集部 青木正典)

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