「後発薬ショック」で医療現場が未曾有の事態 「我々も限界」「薬局の信頼にかかわる」薬剤師が語る過酷な現状

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供給量「増えている」医薬品は多いのに...

   こうした事態に、国も動き始めている。

   厚労省医政局経済課は12月10日、都道府県や医療関係者に通知を出した。そこには、薬不足の現状を示すデータが記載されていた。同課が10月1日時点で出荷停止していた品目と、その代替品など約4800品目を対象に、昨年9月と今年9月の流通量を比較。すると、86%の品目で増加、14%の品目で減少していたことがわかった。増加品目が多いのは、薬不足を受けメーカーが増産対応などの措置を取ったためだ。

   増加品目が多いのに、薬局で薬が不足するのはなぜか。同課の担当者は15日の取材に「医薬品の偏在」が起こっている可能性を示唆した。大手メーカーの出荷停止により、同一成分の薬を扱うメーカーに需要が殺到。メーカー側は在庫の枯渇を防ぐため出荷先に優先順位をつける「出荷調整」を行う。その結果、薬が手に入る現場と、手に入らない現場に差が生じる、というものだ。

   同課はメーカーの業界団体に、供給量が5%以上増えている薬は出荷調整を解除するよう要請した。一方、日本薬剤師会など医療業界には、医薬品の偏在解消を目的に「処方見込みや在庫量を把握の上、必要最低限の発注としていただき、返品は避けていただきたい」と求めた。

   この通知を、現場の薬剤師はどう見たのだろうか。

   前述の病院薬剤師は16日、取材に対し「業界が足並みを揃えるという意味でも、厚労省が動いてくれて良かった」と評価した。ただ、「メーカーや卸が調整をしてくださったおかげで確保できた在庫がいくつもあった」とし、出荷調整解除の要請には疑問を投げかけた。

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