ジェイアールバス関東は2021年12月14日、東京駅八重洲口と東京ビッグサイト・東京港フェリーターミナル間を運行するバス路線の開設を発表した。12月20日から運行開始予定だ。
東京ビッグサイトなど有明エリアと東京駅を「直行」で結ぶバスは大規模イベント開催時の臨時便を除けば初となる。
東京駅→有明をノンストップ
新設路線は東京駅八重洲南口の高速バスターミナルを発車すると国際展示場駅・東京ビッグサイトに停車し東京港フェリーターミナルに至る。所要時間は東京駅から国際展示場駅が25分、東京ビッグサイトが29分、東京港フェリーターミナルまでが35分で、運賃が東京駅から乗車すると一律350円(ICカード利用時。現金400円)となる。本数は1時間ごとをベースに上下計26本を運行する。
東京駅エリアから有明への交通機関は、都営バス東16系統か都05-2系統に乗車するか、新橋駅乗換でJR→ゆりかもめと鉄道を利用するルート、地下鉄東西線大手町駅から門前仲町駅に出て都営バス門19系統に乗り換えるルートがある。
都営バスは運賃210円で乗換不要だが月島・豊洲・東雲・勝どきなどを経由するため東16・都05-2の両系統とも所要時間約40分になる。また鉄道移動の場合、新橋~東京ビッグサイト間のゆりかもめ運賃(ICカード利用で388円)が影響して東京駅~東京ビッグサイト間で合計524円にまではねあがるので、ジェイアールバス関東の新路線では200円近く安くなる。所要時間も新バス路線と大きく変わらない。
車両面では高速バス車両を使用するために全席USB電源を備え、着席利用のみとなる。車内環境は一般路線バスに比べれば快適で大きな荷物を持った乗客にも優しく、遠方からの乗客には疲れを癒せる路線となりそうだ。
ビッグサイトだけじゃない?再開発で需要増える有明
12月20日より運行予定のジェイアールバス関東のこの路線は、早速12月30~31日に東京ビッグサイトで開催の大規模イベント「コミックマーケット99」参加者の足となりそうだが、もちろん開設の効果はそれだけではない。
現在、有明エリアは各所で再開発が進行中。りんかい線国際展示場駅北東には大型商業施設「住友不動産ショッピングシティ有明ガーデン」が20年6月に開業し、周辺にはイベントホール「東京ガーデンシアター」「有明四季劇場」も開場している。
臨海副都心エリアはりんかい線東京テレポート駅・ゆりかもめ台場駅・青海駅周辺の台場エリアの開発が先行していた。有明地区はりんかい線と首都高速湾岸線を境に有明北区域と有明南区域に分けられるが、目立った集客施設のなかった有明北区域も開発が進み、タワーマンションが増えている。ところが、前出のように都心から乗り換え不要の公共交通は都営バスの2系統に限られていた。
高速バス車両を使ったジェイアールバス関東の参入が、急成長中の有明エリアのアクセス改善に貢献するのではないだろうか。
(J-CASTニュース編集部 大宮高史)