国民民主党と、東京都の小池百合子知事が立ち上げた地域政党「都民ファーストの会」が合同で「勉強会」を開くことになった。国民民主の玉木雄一郎代表と小池氏は2021年12月15日、約40分にわたって会談。玉木氏によると、水際対策の強化と行政のデジタル化について問題意識を共有したという。
勉強会の初回は12月17日。定例化については「まだ何も決まっていない」というが、22年夏の参院選に向けて両党の連携が進むかが注目されそうだ。
国民民主・都民ファが「連携して、より徹底した対策を求めていく」
元々、玉木氏と小池氏の関係は深い。17年夏の衆院選は、玉木氏ら民進党(当時)メンバーの多数が、小池氏が立ち上げた国政政党「希望の党」に合流して出馬。希望の党は議席を減らす一方で、小池氏に「排除」された民進党メンバーが立ち上げた立憲民主党が躍進したという経緯がある。
国民民主党の発表によると、12月17日朝、1時間半にわたって「国民民主党国会議員と都民ファーストの会東京都議団との意見交換会」が開かれる。2021年度補正予算、特に「10万の現金給付が認められる基準について」「マイナポイント第2弾など行政のデジタル化」と、オミクロン株の水際対策について省庁からヒアリングし、意見交換する。
玉木氏は12月16日の会見で、水際対策について、出発国によって検疫所にとどまる日数が分かれており、その後は自宅待機が要請されている現時点の運用に対して、
「『どの国から来ても14日間は検疫所の施設で待機する』というシンプルな対応にして、きちんとしたその間の健康観察もできるようにすべき」
と主張。こういった問題意識について小池氏と一致したといい、
「国政では我々、国民民主党、都政では都民ファーストが連携して、より徹底した対策を求めていく」
とした。
定例化は「まだ何も決まっていない」、成果物のアウトプットは「まったく未定」
行政のデジタル化については
「今回の10万円の給付で明らかになったように、やっぱり行政のデジタル化が遅れている。例えば去年10万円給付したときも、国で一律の給付システムを作っておけば...。結局最後はそれぞれの自治体に委ねるので、それぞれのコールセンターを設けたりして、非常に重複が多い」
などと問題意識を披露。その上で、
「こういう行政のデジタル化、特に国と地方との関係については、相当問題意識を共有したので、こういったことを改善していくという観点から、よりよい制度設計やあり方について、議論を深めていきたい」
などと話した。
ただ、勉強会の定例化については「まだ何も決まっていない」上、成果物のアウトプットをどうするかについても「まったく未定」。参院選に向けた両党の連携がどの程度進むかは未知数だ。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)