レバノン潜伏の日本赤軍と比較されたゴーン被告は...
ゴーン被告が司会者の発言に反論する場面もあった。司会者は、レバノン政府が日本赤軍メンバーを引き渡さなかった歴史(編注:日本赤軍は1970年代からレバノン国内を拠点にしてきたが、メンバーが逮捕されたのは97年。そのうちの大半が00年に国外退去になった)に言及し、ゴーン被告が「安全な場所にいる」と皮肉った。
これに対してゴーン被告は、日本赤軍と比較されたことへの不快感を隠さなかった。
「日本赤軍は日本人で、完全に違う話だ。日本人がレバノンに隠れていた話だ。ここでしているのは、レバノンに住んでいるレバノン国民の話で、公正な裁判が受けられるように、捜査資料を送るように求めているところだ」
ゴーン被告の逃亡問題では、大久保武・駐レバノン日本大使が20年1月7日にアウン大統領と会談している。日本外務省の発表によると、大久保氏が
「我が国として重大な関心を有する本件について、レバノン政府が事実関係の究明を含め必要な協力を行うよう要請」
したのに対して、アウン大統領は、この件についてレバノン政府は全く関与していないとした上で、
「レバノンは日本との関係を重視しており、日本側からの協力要請に対しては全面的な協力を惜しまないことを約束する」
などと述べたという。
ゴーン被告の記者会見は著書の日本語版「世界で勝てない日本企業 壊れた同盟」(幻冬舎)出版に合わせて開かれた。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)