女性を「格付け」?規格外タオルのアップサイクル「B子プロジェクト」に批判「誤解招いた」と表現修正へ

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   規格外となったタオルを別のものに作り変える事業「B子プロジェクト」を手がける繊維商社のヤギ(大阪市中央区)は2021年12月2日、プロジェクトの表現方法・イラストを修正すると発表した。

   ツイッター上では、プロジェクトを伝えたファッションメディアの記事を受け、女性を「格付け」していると批判の声が寄せられていた。

  • 「B子プロジェクト」が表現修正へ(「YAGIthical」インスタグラムより)
    「B子プロジェクト」が表現修正へ(「YAGIthical」インスタグラムより)
  • B子プロジェクトのイメージキャラクター。5人の性格が紹介されている(「YAGIthical」インスタグラムより)
    B子プロジェクトのイメージキャラクター。5人の性格が紹介されている(「YAGIthical」インスタグラムより)
  • B子プロジェクトのイメージキャラクター。5人の性格が紹介されている(「YAGIthical」インスタグラムより)
    B子プロジェクトのイメージキャラクター。5人の性格が紹介されている(「YAGIthical」インスタグラムより)
  • 「B子プロジェクト」が表現修正へ(「YAGIthical」インスタグラムより)
  • B子プロジェクトのイメージキャラクター。5人の性格が紹介されている(「YAGIthical」インスタグラムより)
  • B子プロジェクトのイメージキャラクター。5人の性格が紹介されている(「YAGIthical」インスタグラムより)

「#B子でいいじゃん」ハッシュタグも物議

   「B子プロジェクト」はヤギ、タオルメーカーのツバメタオル(大阪府泉佐野市)、ファッション関連のNPO法人DEAR ME(東京都世田谷区)の3団体が合同で企画。規格外のタオルを別のものに作り変える「アップサイクル」を手がける。12月10日からは新宿マルイ本館(東京都新宿区)で、下着や人形などの販売イベントを予定する。

   1日にはファッションメディア「ファッションスナップ」が「規格外品タオルを有効活用する『B子プロジェクト』始動 新宿マルイ本館でポップアップ開催」という見出しで、10日からのイベント内容を紹介。記事では「#B子でいいじゃん」というハッシュタグとともに、5人のイメージキャラクターが描かれたイラストが掲載された。

   記事中では、B子プロジェクトについて「製品としては優れているが、欠点により商品として販売できなくなってしまった規格外品タオルを活用したアップサイクル商品を販売することで、サステナブルな消費活動に興味を持つZ世代を増やしていくことを目指す」と説明があった。

   記事がツイッター上で拡散されると、「B子」という名前や「#B子でいいじゃん」のハッシュタグが物議を醸す。「B子」は規格外を意味する「B級品」のタオルになぞらえ、欠点がある女性を「格付け」しているのではないかとして、批判の声が相次いだのだ。

「人間や性別に格付けしないでほしい」
「誰にとって、B子『でいい』の?」
「A子はどんな子?その子はどんなタオル使うの?」

「モノにもヒトにもある『B』の要素を個性として愛し...」

   「B子」という名前は、どのような意図でつけられたのか。ヤギのエシカル消費プロジェクト「YAGIthical」のインスタグラムが9月17日に投稿した、B子プロジェクトの告知文では次のように説明されていた。

「『完璧』ではないというだけでB品としてはみ出してしまったタオル。そんな、はみ出しモノのタオルは、誰しもダメな部分があり『完璧』ではない私たち自身と重なって見えました。モノにもヒトにもある『B』の要素を個性として愛し、A級のA子にならなくても、『B子でいいじゃん』と受け入れることができたら、自分にも、人にも、地球にも、もっと優しくなれるのではないか。そのような想いで、『B』な部分も愛しながらB品を有効活用していく『B子プロジェクト』をスタートしました」

   9月24日には、5人のイメージキャラクターをイラスト付きで紹介していた。5人にはそれぞれ「大ざっぱ先生」「もじもじっ子」「ぴえん担」「かっちりさん」「夢見がち勢」の名前がついている。投稿は、5人の性格をそれぞれイラストで紹介し、次のイラストで「大ざっぱでいいじゃん!」「もじもじしたっていいじゃん!」などと、その「個性」を褒める構成だった。

   いずれの投稿も、12月2日15時時点で削除されている。

「本来は特定の人や性を対象とした表現でない」

   「YAGIthical」は12月2日16時頃、インスタグラムとフェイスブックで「アップサイクルプロジェクトに対するご意見について」と題した文章を投稿。「ある媒体からの情報が一部分だけ切り取られ、誤った表現で配信された」として、「皆さまに誤解を招く表現となってしまった事をお詫び申し上げます」と謝罪した。

   プロジェクトに「B子」という名前をつけた意図については、「完璧ではない部分・周りと違う部分がある自分自身とタオルを重ね、『完璧ではなくBの部分もあって良い』という価値観を感じ、それをメッセージにこめました」と改めて説明する。

   ただ、「本来は特定の人や性を対象とした表現でないにも関わらず、『B子』という記載やイラストから生じる印象が、特定の人や性を対象としているかのように受け取られてしまった事も事実」とする。同社は事実を真摯に受け止め、プロジェクトの表現方法やイラストの修正を行うとした。

   最後に「皆様にご迷惑とご心配をおかけしておりますこと、心よりお詫び申し上げます。今後ともどうぞ宜しくお願い致します」と伝えた。

   前述のファッションスナップの記事は、2日16時までに見出しから「B子プロジェクト」の文言が消え、次のように変更されている。

「規格外品タオルを有効活用、ヤギのサステナブルプロジェクト「ヤギシカル」がポップアップ開催」

   また、記事中で「B子プロジェクト」を説明した記述も修正されている。

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