東京行きの東北新幹線の車内で、食べ物などのゴミを座席に散乱させた人たちがいたと、ツイッターに苦情があった。
投稿された写真を見ると、食べ残しの柿の種が座席に散らばり、飲んだ後のビールの缶やワインの瓶、海苔の袋もあった。海苔の袋は、7つもあり、グループで食べたらしい。
酒は飲んでいたが、泥酔状態ではなかった
この写真は、2021年11月28日に投稿され、投稿者は、「新幹線はゴミ箱じゃない」などと怒りをぶつけた。車内には、ゴミ箱も設置されているが、そこに捨てる気もなかったのかとあきれていた。
投稿は、4000件以上もリツイートされており、ツイッターで拡散している。
投稿者は30日、J-CASTニュースの取材に対し、当時の状況を明かした。それによると、投稿者が28日、JR福島駅から新幹線に乗ったところ、30~40代ぐらいの女性3人ほどのグループが前の方の指定席に座っているのを見かけた。
乗車中は、普通に座っており、お酒は飲んでいたが、泥酔状態ではなかったという。21時ごろに東京駅に着いてから前を見ると、グループがいた座席は、写真のような惨状になっていた。
それまでまったく気づかず、グループは、すでに降車していたので、注意できなかったそうだ。散乱していたゴミは、清掃員がすぐに片付けたという。
こうした座席へのゴミ放置について、JR東日本の広報部は12月1日、次のようにメールで取材に回答した。
「座席の上に残されるような例は、ほぼございません。残っているとすれば、座席背面のアミ内か窓部の小テーブルあたりに『数点程度/1両』です」
つまり、投稿者が気づいたゴミ放置は、マナーが相当悪いケースになるようだ。座席にゴミを残す客にどう対応するかについては、「お客さまが降車してから清掃員が入るので注意することはございません」と述べた。
清掃員が処理に苦慮する事例としては、嘔吐物による汚損が主になるという。
「コロナ禍で飲食を控え、マナーはむしろ良くなっている」
「コロナ禍以前においては、『弁当の汁ものがこぼれたもの』『チョコレートの染み付き』『ペットの毛のこびりつき』などのほか、ひどいものでは『荷棚の上に飲みかけのカップを放置したもの』などが、稀に見られました。何かしらの液体による座席濡れについては、コロナ禍以前において、発見できたものだけでも『1万件以上/年』が認められました。現在は、食べ物によって座席を直接汚すような事例は、ほぼ皆無です。お客さま自体の数も飲食の頻度も減っておりますので、具体的な件数はお伝え出来ないですが座席濡れの発生件数も以前より減っていると考えられます」
新幹線で1日に出るゴミの量については、こう明かした。
「現在の状況としては、東京駅到着時において、ゴミ箱内の投棄物も含めて『45リットル袋で1つ分/1両』ほどの量が出ております。飲食による弁当ガラ等が増えるため、ゴミの量がピークとなる夕刻以降の状況です。飲食の少ない朝には、ほとんど出ません」
10年ぐらい前に比べて、マナーは、むしろ良くなっているという。
「ゴミの車内放置が以前に比べると少なくなりました。終着駅ではスタッフが車両の出口で袋を持ってゴミ受けを行っていますが、ほとんどのお客さまが降車の際に持ってきて下さいます。また、コロナ禍を受けて車内での飲食を控えて頂いている背景も影響していると思われます。コロナ禍以前は、終着後に寝込んでしまっているお客さまにお声掛けした際に、憤慨される事例が時々ございましたが、現在は稀です」
車内のゴミ放置についてどう考えているかについては、こう答えた。
「終点前では別の方が同じ席をご利用する場合もございます。ご利用されるお客さまに気持ちよく車内をご利用してもらえるよう、ゴミなどは放置せずにお持ち帰りいただくか、車内または駅のゴミ箱へ捨てていただければと思います。なお、ゴミの片づけのお願いをお客さまにご協力いただくため、上記に関する車内放送を実施しています」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)