僕は生かされた...事故で気づいた「時間の価値」 手足3本失った男が「原動力」とする思考

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1日1日を大事にしているのは「生かされたから」

   こういう時間の使い方を考えるようになれたのは、事故で手足を失ってからです。

   僕は仕事したいし、友達と遊びたいし、夢である「モチベーショナルスピーカー」としての活動も考えたいし、YouTubeやSNSもやりたい。1人暮らしだから、家事も全部やります。この体だから時間がかかる作業はどうしてもあります。それは仕方がないことで、大事なのはそのハンディキャップをどう補っていくか。結果、時間を無駄にしない生活をするようになりました。

   手足をなくした直後の入院中は、10年後どころか、明日の自分のことさえ考えることができませんでした。「これからどうなっていくんだ」と、自分の姿を見られなかったし、見たくもなかったし、消えてしまいたかった。

   でも、周りの人の助けで少しずつ立ち直り、自分と向き合っていく過程で、やりたい事が出てきました。22歳で同級生が社会人になる時に、自分も社会復帰したいなとか、色々と人生の想像をしていたら、時間の使い方を徹底して組み立てないといけないと思いました。

   1日1日を大事にしているのは、「生かされたから」というのも大きいです。死んでいたかもしれない事故から救ってもらい、命の重さを痛感しました。荒んでいく人生ではなく、楽しい人生を送りたい。そして、僕が多くの人に助けてもらったように、僕も誰かのためになりたい。だから今、仕事をしながら、YouTubeやSNSで発信を続けています。

   怠けようと思ったら簡単です。仕事が終わったら寝ればいい。でも、僕にとってそれは人生をやめるのと同じくらい辛いこと。今は「生きている」とすごく感じるし、生きるなら楽しい人生、意味を見出せる人生、誰かのためになる人生を過ごしたい。その思いが僕の原動力になっています。

(構成:J-CASTニュース編集部 青木正典)

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