後がないヤクルト・オリックスが敵地で接戦制す
第3戦以降も1992年と2021年のシリーズには重なるポイントが見いだせる。
92年の西武は西武球場で第3戦と第4戦を6-1、1-0で連勝し王手をかける。21年はヤクルトが東京ドームで連勝、第3戦は7回裏にドミンゴ・サンタナの値千金の逆転2ランが飛び出し5-4、第4戦は2-1のロースコアでオリックス打線を抑えてヤクルトが王手をかけた。
92年の第5戦、西武に王手をかけられたヤクルトは打線が復活し5回までに6-0とリードするが、5回裏に西武は5点を返し7回裏にオレステス・デストラーデの本塁打で同点に追いつく。後がないヤクルトは延長10回に池山隆寛の本塁打で勝ち越し7-6で勝利した。
21年の第5戦はヤクルトが先制、7・8回にオリックス打線がつながり5-2と勝ち越すも8回裏にヤクルトは山田哲人の3ランで同点に追いつく。山田の一振りで振り出しに戻り、あと1勝のヤクルトに流れが行ったかと思われたが直後にジョーンズの一発で勝ち越したオリックスが9回裏を抑えて第6戦に望みをつないだ。シーズン後半を右肘の手術で棒に振った山岡泰輔が勝利投手になったこともチームとファンに勢いを与えた。
「初戦でサヨナラ勝ち」「第1戦を落とした側が2戦目に敵地で2-0の完封、そのまま3連勝し王手をかける」「第5戦で王手をかけられた側が終盤に一発で勝ち越す」といった展開は92年と21年で酷似しており、ネット上では、
「1992年の日本シリーズを観ているような」
「1992年のような伝説になるやもしれん」
との声も。熱戦ぶりに29年前のシリーズを思い出すファンも増えてきているようだ。
元西武・ロッテのG.G.佐藤さんも第4戦の後に「ホント、1992年の日本シリーズに展開が似てる。ヤクルトが西武側でややこしいけど」、さらに第5戦の直後には「マジここまで92年日本シリーズペース」とそれぞれツイッターに投稿している。