神奈川県の子育て支援サイト「かながわ子育て応援パスポート」への利用者登録をめぐり、SNS上で疑問の声があがっている。パスワードを子供の誕生日もしくは出産予定日にするよう求めており、情報漏洩などを懸念する声が寄せられている。
事業を手掛ける県の担当課は2021年11月25日、J-CASTニュースの取材に、システムを改修予定だと明かした。
「情報漏洩するよ」
神奈川県は12年2月25日から、協力施設への提示で割引や景品の提供などの優待サービスを受けられる登録証「かながわ子育て応援パスポート」を発行している。利用登録は無料で、県内在住の妊婦と、小学生以下の子どもがいる家庭が対象。公式サイト上の登録システムか既定の書類で申し込める。
登録システムでは、メールアドレス、パスワード、住んでいる地域、子供の人数の登録が必要だ。パスワードについては、下記の指定が設けられている。
「最年少のお子さんの生年月日を半角数字で入力してください。
妊娠中の方は出産予定日を半角数字で入力してください」
ツイッター上では24日、この仕様について「このパスワード強制はヤバい」と問題視する声があがった。これを発端に「セキュリティガバガバ」「情報漏洩するよ」などと懸念が広がった。
県「有効期限の判定をするために入力していただいていました」
かながわ子育て応援パスポート事業を手掛ける次世代育成課の担当者は、パスワードを生年月日に指定した理由についてこう説明する。
「かながわ子育て応援パスポートはお子様がいらっしゃる家庭向けのサービスで、お子様の12歳の3月30日までがパスポート自体の有効期限となっております。有効期限の判定をするために入力していただいていました」
この仕様によって不正アクセスを防ぐことができるのか、個人情報が流出する可能性はあるのかという問いには、仮に不正ログインができたとしても、登録したエリアの優待情報が出てくるだけだという。
「私どもが頂いている情報は、メールアドレスとお子様の生年月日だけです。例えばお名前や住所、電話番号は頂戴しておりませんし、銀行口座が紐づいているといったことは全くないです」
担当者は、生年月日の登録をパスワードに使用したことについて、誤解を招く表現だったと振り返る。25日には委託事業者と話し合い、改修を行うことを決定した。
有効期限の確認のため生年月日の入力は引き続き求めていくが、それとは別にパスワードを設ける。これから利用登録する際には生年月日とパスワードの設定が必要となる。既に登録している人は、新たにパスワードを設定するようメールで連絡するとした。