SKE48の須田亜香里さん(30)が2021年11月22日、東京・渋谷で初のソロライブを開いた。須田さんは10月31日に30歳の誕生日を迎えたばかり。節目のイベントを計画する中で、半年ほど前に始めたギターの練習の成果を披露することになった。アコースティックとエレキの2種類のギターを駆使しながら、SKE48の劇場公演曲「恋を語る詩人になれなくて」など計8曲を弾き語りした。
演奏中に感極まって声を詰まらせる場面もしばしばで、「なんで泣いてるんだろう...」とこぼす場面も。終盤には「私の中で『けじめとなる日』を意識しながら準備をしてきた分...、だから余計泣いちゃったんだろうね」と話し、グループから卒業すべきか葛藤する日々だったことを明かした。ただ、「卒業発表しないので安心してくださいね?」という一言には、安心したファンから大きな拍手があがっていた。
「家族にも1回も彼氏のひとりも紹介したことがなくて...」
須田さんが卒業の話題に触れたのはライブの終盤。ファンへの感謝を口にする中で、「辞める勇気」が出ないことと、いつまでもグループにいる訳にはいかないこととの葛藤を口にした。
「このグループに入って良かったと思っている分、『グループを抜けたら、私何になっちゃうんだろう』って思って、ぽっかり穴が空いちゃうなと思って、全然辞める勇気が出なくて...。けど、すごいリアルな話ですけど、もう30歳じゃないですか。(涙ぐみながら)で、家族にも1回も彼氏のひとりも紹介したことがなくて...、結婚とかもしてみたいし、やってみたいことたくさんあるから、それって『ずっと自分がここにいたいから』ってずっとやっていちゃいけないなと思って、ずっと悩んでて、で、ちょうどソロライブやろうかなって...」
ここまで話したところで会場の雰囲気が変わってきたことを察したのか、「卒業発表しないので安心してくださいね?」と念を押すと、会場には大きな拍手が起こった。
須田さんによると、ライブの準備をする際にスタッフに卒業の悩みを相談したところ、
「いったん誕生日まで考えてみたら?ライブやるんだったら、ライブ終わるまでは、いったん頑張って夢中になれることを一生懸命やって、それから考えても遅くないんじゃない?」
などと背中を押された。アンビバレントな思いを抱えながら本番を迎えた心境を、次のように明かした。
「私の中で『けじめとなる日』を意識しながら準備をしてきた分、だから余計泣いちゃったんだろうね、きっと。『卒業しなきゃ』という思いと、『できないな』という思いと、ぐちゃぐちゃになっている『30歳リアル』です」
卒業したら体形変わりそう...でも「まだその心配はないですね」
ただ、ライブ後のファンミーティングや終演後の取材では、SKE48メンバーとしての意欲を見せる場面も多かった。ファンの
「年取ったなーと感じることはありますか?」
という質問には、グループ最年少の林美澪さん(12)と同じステージに立つことは「結構、意気込まないといけないんですよ」。卒業後は体形が変わりそうだとする一方で「しばらく、引き締まってます」とも話し、しばらくは現役を続行したい考えだ。
「でも、基本楽しいかな?老いが出ないように、ボディーがちょっと重力に負けないようにとか、そういうのを逆に頑張ろうと思えるので...。私、卒業したら一気に体形変わりそうな気がします、良くない方に。気をつけます。まだその心配はないですね。しばらく、引き締まってます」
須田さんより3か月ほど早く30歳の誕生日を迎えたAKB48柏木由紀さんは、新曲「根も葉もRumor」の動きが激しいダンスに苦労したことを動画などで明かしている。仮にSKE48で同様のダンスが登場した際は、須田さんは若手メンバーを上回る熱量で取り組む意欲を見せた。終演後の取材で、次のように話した。
「ファン以外の皆さんの興味を持ってもらえるきっかけになると思うので、できるだけみんなで受けられる試練は受けていきたいと思っているので、一員である限りはどんなハードなことでも...、むしろみんなより体力はある方だと思うので、そこはむしろ引っ張っていくぐらいでいろんなことを、しっかりと熱量を持ってやっていきたいと思っています」
「『年上なのに頑張ってるね』と言われるのも、もちろんうれしいんですけど、『年上なのに、むしろ一番できてるんじゃない?一番体力あるんじゃない?』と言われるとうれしいので、そこは目指していきたいです」
「いつになっちゃうの?」「そんなに頑張るの?」「お母さんの周りの人も心配してるよ?」
ファンミーティングでは、「コールがいっぱいになっている会場で歌って踊るまでは、辞めたくないという気持ちがあるんです」とも。今は禁止されている、声を出した応援が復活するまでは卒業しない考えだ。ただ、これを家族に伝えると
「いつになっちゃうの?」
「そんなに頑張るの?」
「お母さんの周りの人も心配してるよ?」
などと心配されるという。それでも、
「体力とかもつ限り、あと、グループ的にも『ちょっとな~』と肩を叩かれない限りは、粘ると思います」
と話し、改めて「コールあり」の卒業コンサートを望んでいた。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)