サントリーホールディングス(大阪市北区)が展開した広告に、ネット上で拒否感を示す声が上がっている。
問題解決の手段として「飲みニケーション」を推奨するような内容に、「『飲まない、飲めない人どうすんの?』ってなる」「同調圧力を感じる」といった反応が出ている。
「俺が1番嫌いな酒飲みの発想」
注目されているのは、「人生には、飲食店がいる。」と題したシリーズ広告の1つだ。コロナ禍で利用が控えられてきた飲食店を応援するため、改めてその価値や魅力を伝える狙いで展開している。
広告はあるツイッターユーザーが2021年11月21日、バス停に掲示されたポスターを取り上げたことで話題となった。ポスターには、
「たいていのトラブルは『よし飲み行こ!』で解決できる」
というキャッチコピーと、談笑している人物2人のイラストが手書き風に描かれている。
投稿者は「俺が1番嫌いな酒飲みの発想」と評して広告を紹介。投稿は4600件以上のリツイートや1万3000件超の「いいね」を集めた。
トラブルを解決するための手段として、アルコールを介した親交を勧めるような広告の内容に、ツイッターでは、
「『飲まない、飲めない人どうすんの?』ってなる」
「同調圧力を感じる」
「下戸には地獄でしかない」
「酒は好きだがこんな思考にはならない」
などと反感を示すような声が上がっている。
ネットの反応は「認識しています」
サントリーホールディングス・広報は24日、J-CASTニュースの取材に、ネット上で広告に対して否定的な意見が出ていることについては、「認識しています」とする。
そのうえで、前述のような反応をどのように受け止めているか、また広告の制作意図やターゲットに関してそれぞれ質問したが、回答は
「苦しい立場におかれている飲食店も多い中、飲食店を応援するメッセージを多くの人にお届けしたいと思い企画しました」
だけだった。
なお企画概要について、サントリーは公式サイトで次のように説明している。
「サントリーはお酒や飲料の提供を通じて、『人と人とのつながり』を、飲食店の方々と一緒に創造してきました。
今回の取り組みでは、『人生には、飲食店がいる。』というキーメッセージをはじめ、 『飲食店』という場所だからこそ得られる、温もりのある場面、温かな思いを、一つ一つのメッセージに込めて発信することで、飲食店という場所の価値や魅力をお伝えしていきたいと考えています。
メッセージが少しでも多くの人に届き、応援の気持ちがつながることを願っています」
屋外広告は8日から東京や大阪を中心とした全国に約1250面が順次展開されている。広報によると、当初計画していた期間で終了する予定だという。