「消滅危機」から躍進の国民民主 独自路線の先に何を見る?玉木雄一郎代表に聞く【インタビュー】

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「やはり信念とか政策は曲げちゃいかんなと思いましたね」

   ―― 国民民主党は議席を伸ばしましたが、逆に立憲民主党が議席を減らした理由を、どうみますか。この結果を振り返って、市民連合との政策合意にサインしなくて良かった、つまり「野党共闘」しなくてよかったという思いはありますか。

玉木: やはり信念とか政策は曲げちゃいかんなと思いましたね。なぜかというと、選挙というのは、自分の腹に落ちる、納得できるメッセージを伝えないと、それは相手にも伝わらないんですよね。選挙は熱伝導だと思っているので、自分が一番熱い熱を発するためには、自分が訴えている事に自分自身が納得しておかないと、やっぱりどうしても弱くなるんです。「実は本当はこう言いたいんだけど、こうなんだよね」と伝えたものは伝わらないじゃないですか。ましてや、メッセージを受け取った人が、それを強いまま次の人に伝える、ということができないので、やはり信じたことを伝えるということが選挙では大事です。そういう意味では、構造、構図としては、共産党さんも立って(擁立して)、野党が一本化できないという苦しい中でありましたが、逆にそれを乗り越えるようなメッセージの強さ、思いの強さを発することができたことが、最終的には広がりにつながったと思いますね。

   ―― 市民連合との政策合意の、どの部分が受け入れられなかったのですか。

玉木: 3か所あって、ひとつは安保法制の「違憲部分を廃止」の部分ですね。もう今は現行法、自衛隊法などに溶け込んでいるので廃止はできないので...。おかしいところを法改正するのはいいですが、この「廃止」というのは、我々としてはなかなかサインできません。

   ―― 9月9日の記者会見では、「地元合意もなく、環境を破壊する沖縄辺野古での新基地建設を中止する」という部分も問題視していました。

玉木: 軟弱地盤が見つかったので、我々も一旦停止して検証するのは良いのですが、相手のある話を一方的に中止すると言えば民主党政権と同じ失敗をするので、これはちょっとできませんでした。

   ―― エネルギー政策では「再生可能エネルギーの拡充により、石炭火力から脱却し、原発のない脱炭素社会を追求する」とうたっていました。

玉木: (原発について)ゼロと決め切ってしまうと、カーボンニュートラルという新しい世界的な目標ができたときに、果たして代替エネルギーもまだ見つかってない中で無責任なことは言えないと...。主に安全保障とエネルギー政策、こういったところについて、どうしても納得・一致できなかったというのが一番の理由ですね。
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