ザ・ドリフターズとももいろクローバーZによる「ドリフ&ももクロ ライブフェス~コントもあるョ!全員集合~produce by もリフのじかん」が2021年11月18日に東京・日本武道館で開催された。
これはニコニコ動画で配信中の両グループによるトークバラエティ番組「もリフのじかん~ももいろクローバーZ×ザ・ドリフターズ~」から派生した公演で、ドリフにとっては1966年のビートルズ来日公演で前座として出演して以来の武道館公演となった。
メダルをかじり加藤茶「名古屋のおじさん」
全編生バンドで行われた公演はドリフの3人による「ドリフのズンドコ節」で開演、加藤茶さん・仲本工事さん・高木ブーさんのみとなったドリフだが、「55年前はあと2人いたんです。いなくなっちゃったんですよねー。上(天国)に行っちゃって」と加藤さんがいかりや長介さんと荒井注さんを引き合いに出し、客席を笑わせる。当時は志村けんさんの加入前だった。
続いてももクロの4人(百田夏菜子さん・高城れにさん・玉井詩織さん・佐々木彩夏さん)と「東京03」の飯塚悟志さんも加わって「こぶ茶ルンバ」を披露。これは加藤さん・仲本さん・高木さんのユニット「こぶ茶バンド」の持ち歌で洋楽「コーヒールンバ」の替え歌だ。
歌とコントで進行するライブの中で、飯塚さんの書きおろしコント「金メダル」では、アーチェリー選手に扮した飯塚さんが獲得したという金メダルを加藤茶さんがかじってしまい、「最悪!やっちゃいけないやつですよ」(飯塚さん)「名古屋のおじさんが」(加藤さん)という、河村たかし名古屋市長を思わせる時事ネタも飛び出した。
ももクロもコントに挑戦し、琴の演奏に失敗するとお仕置きを食らうコント「お琴教室」のコーナーでは、加藤さんに対し百田さんがドリフのギャグで定番の一斗缶でお仕置き、加藤さんも88歳の高木さんへ「88歳頑張れ」と一斗缶をお見舞いする。お仕置き合戦になった挙句「自分が受けるだけだと緊張感が足りない」(玉井さん)とのことで、バンドメンバーにお仕置きが飛び火する展開にもなった。
「長さんも死んだ 志村も死んだぜ 次は...」
ドリフの人気コント「雷様」は仲本さん・高木さんとももクロの高城さんにより復活、かつて、いかりやさんと仲本さん、高木さんの3人で演じていたコントだが「1人どっか行っちゃってリーダーを探している」という高木さんの誘いで雷神に扮した高城さんが加わる。「私自分のグループでリーダー下ろされてるんですよ」と、ももクロ最初期にリーダーだった自虐ネタで高城さんが応じ、高木さんのウクレレと仲本さんのギターを伴奏に、ももクロの「スターダスト」を歌った。
「リーダーは命令ができなきゃだめ」と仲本さんに言われ、高城さんは「お茶くみやっとけよ」などとドリフの2人を尻に敷こうとするが、芸歴に遠慮してしまい強く出られない。しかし高木さんに「帰った帰った」とあしらわれると、高木さんに「ライブが終わるまで絶対寝るんじゃねえぞ」、仲本さんに「YouTubeのチャンネル持ってるくせになんで全然更新しないんだよ」と毒舌でまくしたてていた。この公演でのももクロはゲストの「かが屋」賀屋壮也さんを「偽Creepy Nuts」とイジるなど毒舌ぶりも目立った。
55年ぶりの武道館ライブでドリフは「のっぽのサリー」(原曲:リトル・リチャード)「トラブル」(エルヴィス・プレスリー)を仲本さんのボーカルとギター、高木さんのウクレレ、加藤さんのドラムで披露した。「トラブル」では途中から加藤さんが日本語で替え歌を歌い出し、
「長さんも死んだ 志村も死んだぜ 次は誰なんだろうな ブーたんかな。いやブーたん案外しぶてえからな 俺はまだまだ生きるぜ」
とボケてみせ、マイクを奪われた仲本さんに一斗缶で叩かれていた。
終盤には出演者全員で「ドリフの早口言葉」、ドリフとももクロの楽曲をミックスした「もリフMIXメドレー」、20時を過ぎた頃に「8時だョ!全員集合」でおなじみの「いい湯だな」を歌って約2時間のライブを締めくくった。