「モーターは、8年前だと底部にあるものが多かった」
小児科学会では、こうした事故をなくすための予防策として、まず「洗濯機の底部に手を入れても回転部に触れないような構造に変える」ことを挙げた。
家庭でもできることとしては、「洗濯機の底部に手を入れないようにすき間を覆う」「洗濯機の使用中は,洗濯機を触らないように柵を設ける,部屋に鍵をかける」「安全に置き台を設置できるよう販売店担当者に相談の上で置き台を設置する」ことを呼びかけている。
家電メーカーなどでつくる日本電機工業会は11月18日、J-CASTニュースの取材に対し、家電部の担当者が縦型洗濯機についてこう説明した。
「脱水中の振動を吸収するために、一体化した洗濯槽とモーターがバネで吊るされています。底面をフタで完全にふさぐと、輸送中の揺れで部品が動いてフタに当たってしまい、故障の原因にもなりますので、底部が開いているものが多いですね。モーターは現在、中心ぐらいにあるものが多いですが、8年前ぐらいですと、底部にあるものが多く、冷却ファンが付いていて、手を入れると切れるタイプもあったと思います」
小児科学会の傷害速報では、ある縦型洗濯機の底部の写真も載っており、右側に見えるのがモーターだという。
「電気用品安全法では、洗濯機を平らな床に置いたときのすき間が1センチとなっており、置いただけでは手は入らない構造になっています。ただ、最近は、防水パンと呼ばれる置き台について、排水口の点検などができるように、かさ上げタイプを販売するメーカーが出てきました。そこで、業界としては、洗濯機の底部に手足を入れないように絵表示で示す注意ラベルを貼るようになってきています。今後は、防水パンのメーカーにも、かさ上げタイプには柵などを付けるようお願いしないといけないと思っています」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)