手足3本失った僕が「弁当作り」を始めた理由 左手1本で毎日料理、8年続けて得た「学び」

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料理を始めたのは、自立するため

   両手両足があった時は、家事を全くやっていませんでした。料理は学校の調理実習の経験だけ。家ではせいぜいインスタントラーメンくらい。それが今では毎日弁当を作っています。

   左手1本になってからなぜ料理を始めたかというと、自立するためでした。事故直後、親には心配ばかりかけました。だから1人暮らしをして自立し、親を安心させるんだと決めました。

   出前やコンビニ食ばかりでは、親を安心させられない。だから料理をしようと思いました。それも「毎日やる」と。生きている限りご飯は食べ続けます。食生活ですら親に心配をかけたら、僕は何のためにあの事故から生き残ったのか分からない。親孝行じゃないですけど、自分にできることはやろうと決めました。

   その第一歩が弁当作りでした。携帯ショップで弁当箱をもらったのがきっかけです。最初は冷凍食品のオンパレードで、ただ適当に詰め込むだけ。写真を撮って親に送ったら、初日は褒めてくれたけど、すぐに「茶色い」「バランスが悪い」とダメ出しされました。

   悔しかったので燃えました。経済的に当時カツカツでしたけど、「クックパッド」に有料登録して勉強しました。いろんな料理をレシピ通りに、見よう見まねで作りました。続けていくうちに味付けの仕方が分かってきて、応用が効くようになりました。

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