ネスレ日本(兵庫県神戸市)のチョコレート菓子・キットカットが、「ちょっと大きくなった」とサイズアップをうたって一新した。
同商品は以前のリニューアルでサイズを縮小していた。そのためSNS上では、サイズアップではなく、「元々の大きさ」に戻しただけではないかとの指摘が出ている。実情を聞くと...。
「ちょっと大きくなってリニューアル!」
個包装の菓子が詰め合わされた「キットカット ミニ」シリーズが、2021年11月6日ごろから注目を集めている。
9月にシリーズ4製品を一新したばかりだ。新しいパッケージでは「ちょっと大きくなってリニューアル!」とうたっている。枚数が1枚減る代わりに総重量が8~9%増加、1枚あたりのサイズが大きくなった。パッケージ裏面には従来品とのサイズを比較した図も記載されている。
なおキットカットは20年9月のリニューアル時にサイズダウンしており、当時、消費者から不満の声が少なからず上がっていた。
今回の変更を受けて、あるツイッターユーザーが「元の大きさになったらめっちゃ主張してくる」などと書き込むと、2万1000件以上のリツイートや9万6000件超の「いいね」を集め、共感された。
ネスレ日本の広報は11月11日、J-CASTニュースの取材に、こうした反応は「承知しております」と答えた。
サイズアップをうたった理由は、従来品よりも前の商品の大きさについて認識していない消費者が存在する可能性をあげ、
「今回のリニューアル前の製品と比較して、『ちょっと大きくなった』とコミュニケーションすることが適切であると考えました」
としていた。
従来品より「コスト増」のリニューアル
ネット上ではコスト削減を狙ったリニューアルなのではないかという声も出ている。
しかし、コストはかえって増えたという。今回は「お客様の満足度向上」を目指したと強調する。サイズを改めた具体的な背景を、
「昨年来、在宅時間が増え、いわゆる『ながら食べ』の機会が増えた影響もあり、チョコレートの家庭内消費量も増加しています。それに伴い、『1枚当たりの満足感』が高い製品の需要が増加しています」
と説明した。19年に開発をはじめたという従来品は、「1口サイズで食べやすくなった一方で1枚当たりの満足感は以前に比べ若干低くなっていました」とも明かす。そのうえで、
「製品当たりの総重量アップを図りながら、この1年で変化した消費傾向に合わせ、1枚当たりの満足感においても、より評価をいただけるサイズ・重量に変更を行いました」
とする。
「今後もお客様の声にできる限り耳を傾け、改善の機会として参考にさせていただきます」(広報担当者)