「監督」か「ビッグボス」か――。
北海道日本ハムファイターズ・新庄剛志監督の「役職名」をめぐり、解釈が割れている。秋季キャンプの様子を報じたスポーツメディアの表記は「監督」と「ビッグボス」の間でまちまち。新庄氏のWikipediaでは連日「編集合戦」が繰り広げられる事態だ。
「『ビッグボス』こと新庄剛志監督」「日本ハム新庄剛志BIGBOSS(監督=49)」
「監督って皆さん呼ばないでください。BIGBOSS、ビッグボォスでお願いします。ビッグボォスが好きなんですよ。あの、『新庄監督』とか僕いらないですね。なんか監督っぽいじゃないですか、『ビッグボス』でお願いします」
2021年11月4日の監督就任会見で、こう報道陣に呼びかけた新庄氏。「ビッグボス」はインドネシア・バリ島在住時に呼ばれていた愛称だ。この日、報道陣に渡されたという新庄氏の名刺には「BIGBOSS SHINJO」と記載されていた。
新庄氏からの「要請」を受け、スポーツメディアは記事の中で一斉に「ビッグボス」表記をはじめる。例えば、チームの秋季キャンプ視察初日となった11月8日には、デイリースポーツが記事中で「新庄剛志ビッグボス」と「監督」を省いた形で役職名を報道。スポーツ報知は「ビッグボス・新庄剛志監督」、スポニチアネックスは「『ビッグボス』こと新庄剛志監督」と、頭に「ビッグボス」をつける形で報じた。
9日には日刊スポーツが「日本ハム新庄剛志BIGBOSS(監督=49)」と、BIGBOSSをメインの肩書きにし、監督・年齢を括弧で表記するという手法で報じている。一方で、単に「新庄剛志監督」とだけ記すメディアもあり、対応は媒体・記事によってまちまちなようだ。
「新庄剛志にのみ対しては監督と呼んではいけない」
一方で、新庄氏のWikipediaでは、その肩書きをめぐり連日「編集合戦」が繰り広げられている。
4日の就任会見後は新庄氏の役職名は「監督」となっていたものの、6日になると「ビッグボス」に変更。しかし、同日中には「監督」に戻される。ここから「BIGBOSS(ビックボォス)」→「BIGBOSS(ビッグボス)」→「監督」→「ビッグボス」→「ビッグボス(監督)」→「監督」→「ビックボス」→「BIGBOSS」と表記が移り変わり、9日18時現在では「ビックボス」に落ち着いている。
また、新庄氏の「監督歴」という項目でも「ビッグボス歴」→「監督歴」→「BIGBOSS歴」→「監督歴」→「BIGBOSS歴」→「ビッグボス歴」→「監督・コーチ歴」→「ビッグボス歴」→「ビッボス歴」...のように表記変更が繰り返され、9日18時現在では「監督(ビッグボス歴)」となっている。
Wikipediaの編集を行った「BIGBOSS」派のユーザーからは「監督ではなくBIGBOSS。新庄剛志にのみ対しては監督と呼んではいけない」とのコメントが。一方で、「監督」表記にこだわるユーザーは「ビッグボスは自称に過ぎず、正式な役職名とは言い難い」とのコメントを残している。
球団の対応はどうか。球団公式サイトに掲載されている新庄氏のニュースでは、肩書きは「新監督」もしくは「監督」となっている。一方、球団公式ツイッターでは「ビッグボス」呼びが基本となっており、球団内でも表記が割れているようだ。
「監督」か「ビッグボス」か――。表記が統一される日は来るのだろうか。