「イールドマネジメント=値上げ」なのか
さらに、「早期割引を廃止する」「割引がなくなる」といった表現については次のように述べ、強く否定した。
「こういう...何て言うんだろうんだろうな...、短兵急な捉え方は全く我々の趣旨とは違うので、そこは是非誤解のないようにしていただきたいと思うし、一定の期日までの割引、こういった制度は残る。残した上で、お客さまに分かりやすく、なおかつ我々のイールドマネジメント(収益最大化)の最大限の効果を発揮できるような、そういう形での仕組みをこれから取り組んで作って参りたい」
JALは現時点で、早期割引にあたる運賃を「先得」「特便割引」といった名称で売り出している。予約や購入するタイミングによって、75日前、55日前、45日前、28日前、21日前、7日前、3日前、搭乗前日、といった具合に細かく運賃が変わる。これらの区分を整理するとみられる。
菊山氏が言及した「イールドマネジメント」では、空いている便を値下げし、混雑時の便を値上げすることなどで収益性を高めるとみられるが、運賃全体として値上がりするかは明らかではない。こういった方向性について、JAL広報部では
「国内線の運賃の刷新について、検討しているのは事実ですが、現段階で具体的な内容をお伝えできる段階にはありません。お客さまにとって、より分かりやすくシンプルに、また利便性の高い運賃体系やサービスになるようにしたいと考えております」
とコメントしている。
JALはこの日の決算会見で、
JALはこれまで22年3月期の通期業績見通しを未定だとしていたが、この日の会見で、連結ベースで1460億円の最終赤字を計上する見通しを発表した。コスト削減策が奏功し、前期の2866億円から赤字幅は縮小するが、2期連続の最終赤字だ。
一方、22年3月期の連結決算で35億円の最終黒字を見込んでいたANAホールディングスは10月29日に一転、1000億円の最終赤字になる見通しを発表した。赤字幅は前期の4046億円から縮小するが、需要回復のペースが予想よりも遅れており、見通しを修正。JAL同様、2期連続の最終赤字だ。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)