京王線の車内で2021年10月31日に発生した刺傷事件を、海外メディアも相次いで報じている。とりわけ多いのが、服部恭太容疑者(24)がアメリカンコミック「バットマン」のキャラクター「ジョーカー」の格好をしていたことを強調するような報道だ。
「ジョーカーの殺戮」「ハロウィーンの恐怖」
事件は31日午後8時ごろ、京王八王子発新宿行きの特急電車の中で発生。服部容疑者は国領駅(調布市)近くを走行中の車内で、乗っていた男性の胸を刃物で刺し、その後、油をまいて火をつけた。ナイフで刺された男性1人が重体、16人が怪我をしたと報じられている。
SNS上では、事件直後に撮られた服部容疑者の動画が拡散されている。動画を見ると、服部容疑者は紫のパンツに、緑色のシャツを着用。これは「バットマン」の悪役で、19年に俳優のホアキン・フェニックスさん主演で映画化もされた「ジョーカー」とよく似た格好だ。服部容疑者は「ジョーカーに憧れていた」と供述した、と報じられている。
海外メディアも、今回の事件を相次いで報じている。目立つのは、服部容疑者が身に着けていた「ジョーカー」のコスプレを強調したような報道だ。
英高級紙「ガーディアン」電子版は31日(現地時間、以下同)、「東京の電車内でジョーカーに扮した男が17人を負傷させ、逮捕される」(以下編集部訳)と報道。また米経済メディア「フォーブス」も31日に「ジョーカーの格好をした男が東京の地下鉄で襲撃し、少なくとも17人が負傷した」と見出しで「ジョーカー」に触れた。
一方、英大衆紙「ザ・サン」電子版が31日に配信した記事の見出しは「JOKER CARNAGE(ジョーカーの殺戮) ジョーカーに扮したナイフ男が東京の電車で暴れて17人を負傷させ、車両に火をつけた」だったが、その後1日に「ハロウィーンの恐怖 ジョーカーに扮したナイフ男に襲われた電車の乗客は、ハロウィーンの演出だと思っていたが、犯人は17人を負傷させた」に変更されている。
また英BBCは1日の記事で「映画『ジョーカー』では電車の中で何度も嫌がらせを受けた複数の男性を襲うシーンが登場した。それは、キャラクターがジョーカーに変身する始まりとなる、極めて重要な瞬間だ」と、19年公開の映画の内容を紹介している。
京王線火災、刃物男逮捕 pic.twitter.com/TGhtO3ntTA
— しずくβ (@siz33) October 31, 2021