ベテラン議員「続々退場」の衆院選 自民党「73歳定年制」で消えた大物たち

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   2021年10月31日に投開票された衆院選では、与野党問わずベテラン議員が小選挙区で相次いで落選し、世代交代を印象づけた。野党では、立憲民主党の平野博文代表代行(72)が大阪11区で維新新人の中司宏氏(65)に敗れ、重複立候補していた比例近畿ブロックからも復活当選することはできなかった。小沢一郎氏(79)は岩手3区で自民前職の藤原崇氏(38)に敗れ、比例東北ブロックで復活当選した。

   一方、自民党の甘利明幹事長(72)は、神奈川13区で立憲新人の太栄志(ふとり・ひでし)氏(44)に敗れたが、比例南関東ブロックで復活当選。ただ、仮に甘利氏が1年早く生まれていたとすれば、議席を失っていた可能性が高い。自民党は内規で比例区の「73歳定年制」を設けているためだ。自民党から小選挙区で立候補した73歳以上の候補者は24人。建設相や自治相を歴任した野田毅氏(80)を筆頭に7人が小選挙区で敗れ、そのまま国会から去ることが決まった。岸田文雄首相はそのうち5人の応援に入ったが、奏功しなかった。特に73歳以上の立候補者が最も多かった福岡県では4人中3人が落選。大幅に世代交代が進んだ。

  • 建設相や自治相を歴任した野田毅氏(80)。熊本2区で敗れ、議席を失うことが決まった(2018年撮影)
    建設相や自治相を歴任した野田毅氏(80)。熊本2区で敗れ、議席を失うことが決まった(2018年撮影)
  • 建設相や自治相を歴任した野田毅氏(80)。熊本2区で敗れ、議席を失うことが決まった(2018年撮影)

小選挙区のみから立候補した73歳以上は24人

   「73歳定年制」は公認の時点で73歳以上の場合、小選挙区との重複も含め、比例区には原則として立候補できないとする自民党の内規だ。03年の衆院選から厳格に適用されるようになり、中曽根康弘、宮沢喜一両元首相らが政界引退に追い込まれたことは有名だ。今回の衆院選では、内規に従う形で比例重複なしで小選挙区に立候補している73歳以上は24人いた。最高齢が和歌山3区の二階俊博前幹事長(82)で、福岡8区の麻生太郎副総裁(81)が続く。この24人とは別に、比例近畿ブロックで奥野信亮氏(77)、比例九州ブロックで今村雅弘氏(74)が例外的に公認を受け、当選を決めている。

   特に73歳以上が多いのが九州の選挙区で、24人のうち10人が出馬。そのうちのひとりが熊本2区の野田氏だったが、保守分裂の末に、財務省キャリア官僚の無所属新人、西野太亮(だいすけ)氏(43)に敗れた。熊本県では14年12月の総選挙以来、全4小選挙区を自民党候補者が独占してきた。野田氏の落選で、それが約7年ぶりに崩れたことになる。

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