「ほんと飯テロだわ」
「許すまじ水産庁! 海鮮食べたい!!」
2021年10月、SNS上ではこんな叫びが連日飛び交っている。水産庁公式サイトのコンテンツ「1か月毎日海鮮丼チャレンジ」に掲載されている、おいしそうな海鮮丼を見たユーザーたちの反応だ。
昨年8月には霞が関初のVTuberを誕生させた水産庁。「攻めた」コンテンツを続ける背景には、同庁を外局として置く農水省からの「刺激」があった。
「凝りすぎず、簡単に作れる」海鮮丼を毎日投稿
「休暇を利用して、房総に釣りに行ってきました!良型イサキをゲット!船上で丁寧に神経締めしたイサキの上品な甘みは絶品そのもの!たくさん釣れたので熟成して、毎日味の変化を楽しみます!」(11日目 釣りイサキ丼)
「スーパーでキレイなコハダを発見!身側を骨切りして、塩して酢締めに。間違いないですね!!!」(14日目 コハダ丼)
水産庁公式サイト内のブログ「アワビのステーキ食べてみたいよね」で10月1日から更新されている「1か月毎日海鮮丼チャレンジ」。親しみやすい語り口の解説文とともに、彩り豊かな海鮮丼の写真が毎日掲載される。
コロナ禍による飲食店での魚の消費減少を受け、家庭でもっと魚を食べてほしいという思いから始めた。海鮮丼は「魚」を使っていればなんでもOK。「ヒラメ漬け丼」(8日目)、「カツオのタタキ丼」(9日目)、「イズカサゴとウッカリカサゴの唐揚丼」(23日目)など調理法も様々だ。
連日投稿されるおいしそうな海鮮丼の写真に、SNS上では「ほんと飯テロだわ」「許すまじ水産庁! 海鮮食べたい!!」と話題に。10月25日、J-CASTニュースが水産庁の広報担当者に取材すると「海鮮丼を作りましたよ、と写真を寄せてくれた方もいる。それを見ると非常にうれしい気持ちになります」と反響への喜びを語った。
水産庁の職員たちがスーパーや鮮魚店、釣りなどを通じて魚を調達。そこから自らの手でさばき、海鮮丼を作っている。大事にしているのは「凝りすぎず、簡単に作れる」ことだ。「魚を載せるだけのものや、あるいは少しだけ味付けをしたり。薬味も(しょうがなどの)チューブや、手に入りやすい大葉を使っています。普段通りの調理で、おいしそうな海鮮丼を作ることを心がけています」(広報担当者)
そんな担当者が語る「一番の丼」は、19日目に掲載した「ごまあじ丼」。一尾170円のアジを、すりごま、醤油だれに漬け込んで「ごまアジ」にした。最初はそのまま、途中から「お茶漬け」として食べた。「一匹買うことで二回も楽しめる。安い中で満足感も味わえる、思い入れのある丼です」(広報担当者)