「意図的に酷似してしまった」ずさんな謝罪文
そして9月3日、D社のサイトで代表名義の謝罪文が公開された。
「『来世ではちゃんとします』に意図的に酷似した動画広告についてのお詫び」という題名で、文書では謝罪を重ねつつ制作の経緯を次のように記す。以下が全文だ。
「この度、弊社の広告代理店事業における漫画広告が集英社様の『来世ではちゃんとします』が酷似しておりましたことをお詫び申し上げます。
当該動画広告はすぐに停止した上で、いつまちゃん様と関係者の皆様に深くお詫びを申し上げます。また、ご報告が遅くなりましたこと、心よりお詫び申し上げます。
今回の責任は弊社にございます。某健康食品の案件をyoutubeにおいて『来世ではちゃんとします』に酷似した動画を2021年4月頭に配信しました。作成の経緯としては私が業務委託のライター様に『来世ではちゃんとします』を参考として提供し、漫画を作成していただきました。
今回の経緯として、業務委託のライターに依頼した漫画および動画の社内確認を怠ったことが問題であり、私に管理不足責任がございます。
意図的に酷似してしまったのは私のディレクション責任であり、人気のあるドラマや漫画から良い点を参考にして作成したとのことですが、意図的に酷似していたことは明らかでした。
弊社としては漫画の確認体制を整えておくべきだったにもかかわらず、最終確認を怠ってしまっていたので今回の事態が発生しました。
最後になりますが、改めて、作家様及びファンの皆様に多大なご不快な思いとご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます」(原文ママ)
謝罪文の公開を受けて、いつまちゃん氏は28日にツイッターで経緯を報告。投稿では
「とても悔しい思いもしましたが、巷に流れる悪質パクリ広告群の再発防止に繋がれば幸いです」
とつづる。
投稿には、「残念ながら誠意ある対応と感じることは出来ませんでした」とも訴えていた。実際、D社からは、いつまちゃん氏への直接の謝罪はなかったという。
なお、謝罪があったことを伝えた投稿は現在削除されている。理由についていつまちゃん氏は10月22日のツイートで、投稿内容がガイドラインに違反しているとされ、アカウントの制限を受けたためだとする。削除された投稿には、D社の代表取締役の名前も掲載されていた。担当編集によれば、会社名と氏名の掲載は本人から許可を得ていたという。