「下請けのせいにしていく」各社
パクリ広告の発見後、どういう対応を取ったのか。来世ちゃんの担当編集が語る。
いつまちゃん氏から報告を受けた担当編集は、まず当該商品を販売する広告主のA社に問い合わせた。4月8日に初めて問い合わせに応じたA社は、広告の存在について「知りませんでした」と答えた。
その後A社からは、謝罪のうえ広告を停止した旨の連絡があった。担当編集がA社に経緯の説明を求めると、どんどんと下請けとみられる会社に回されていったという。
「実は制作したのは別の会社です...という説明を受けました。次に、言われたその別の会社に問い合わせたら『大変申し訳ありませんでした。動画の内容を作ったのは別の会社です』とまた言われて。で、順番にA社B社C社とたらい回され、最後、4番目の会社ですね。それがD社」
B社およびC社はウェブマーケティング事業などを行うIT系の企業、広告制作を指揮していたとされるD社は、広告代理事業のみならず、美容サロン運営など幅広く展開している。
担当編集が各社との連絡を重ね、D社の存在にたどり着いた時には7月になっていた。広告の発見から3か月後のことだ。
担当編集は各社の対応について「メールで一応の謝罪はあるものの、経緯の説明と責任の所在を問うと曖昧に濁され別の会社のせいにしていくような感じ」があったといい、各社とやり取りを続ける間には「先方の人も辞めていったのか、途中からメールが届かなくなった人もいた」ともいう。
さらに担当編集は、
「最後のD社からは、はじめは『内容はライターさんが描いた』と説明を受けました」
と振り返る。先方からはライターの連絡先も伝えられたという。担当編集が連絡を試みたが、ライター本人とはコンタクトを取ることはできなかった。
当初、自分たちの責任を否定していたD社。
責任の所在はどこにあるのか、担当編集は改めて問い詰めていった。