サッカー元日本代表FWの城彰二氏(46)が2021年10月26日、自身のユーチューブチャンネルで、元日本代表MF中田英寿氏(44)のキラーパスに言及した。
2人は日本代表の主力として数々の国際大会でプレーした仲で、共に96年アトランタ五輪、98年フランス・ワールドカップ(W杯)などに出場した。
小野伸二、中村俊輔のパスは繊細
現役時代に日本代表の名だたるMFとプレーを共にした城氏は、ユーチューブ動画の中でMFそれぞれのパスの特徴や質などを解説しながら中田氏との違いについて言及した。
城氏は「小野伸二、中村俊輔、このあたりは本当に俺が彼らを見なくて走っていたらフワーピタッと(足下に)来るようなパスを出せる選手。だから彼らを信じて走っていればおのずとこういうプレーができるような感覚のそういうイメージのパスを彼らは供給する」とし、「そういう繊細なパスを出せるのが彼らだね」と解説した。
両者のパスを「繊細」と表現した城氏は、中田氏のパスについて「ヒデは真逆だよ」と強調し、その理由について次のように説明した。
「このボールの質にお前が合わせろというパス。内腱筋が強いんだろうね。インサイドパスもパーンと飛んで来る。練習とかやってるじゃない、俺は足が速かったわけじゃないから追いつかないのよ。そしたら怒るわけよ。『おい城、追いつけよ』みたいな。『追いつかねぇよ』とか言いながら」
城氏「(中田は)究極の所を攻めてくる」
中田氏は練習中に城氏と言い争いになっても信念を一切曲げなかったという。
「あいつのこだわりとしては、究極のところにパスを出している。そこにもし届けば、触った瞬間に相手ディフェンスをかわしていける。究極のところを彼は狙っている。パススピードも速いからそこに合わせるしかない。本当に(小野、中村とは)真逆。だから受け手としては、いらないパス。俊輔とか伸二とやりたい。ヒデとはやりたくない」
一方で城氏は中田氏のプレーの発想が小野氏や中村氏らと真逆だったと指摘した上で「レベルが高かった」と高く評価した。自身が海外でプレーした時に中田氏のレベルの高さを痛感したという。
城氏は「海外に行った時に初めてあいつスゲーなと思った」とし、その理由について「海外ではあれぐらいのボールスピードは当たり前なんだよね。特にスペインは鬼パスみたいなのを出してくる。それを触れなかったら怒るわけ」と説明した。