今季限りでの引退を表明していたプロ野球・巨人の大竹寛投手が、2021年10月24日のヤクルト戦(神宮球場)で最終登板し、試合後には巨人ナインから胴上げが行われた。
対戦相手のヤクルト側のブルペン付近で、引退登板と胴上げの様子を見守っていたのが昨年までチームメイトだった田口麗斗投手。その光景にファンからも温かい視線が送られた。
涙ぐんで目元をぬぐう様子も
田口は21年シーズン直前の3月1日、廣岡大志内野手とのトレードで巨人からヤクルトに移籍、それまでは大竹とチームメイトだった。
10月24日の試合で8回裏に大竹が登板すると、投球をヤクルト側のブルペンから帽子を取って見つめる田口の姿が球場のファンの目に留まる。観客がツイッターに投稿した写真では、涙ぐんで目元をぬぐう様子も見られた。
試合は6対4でヤクルトが勝利し、試合後のグラウンドでは、巨人ナインにより大竹が胴上げされる。
観客の撮影した動画をみると、一塁側でダグアウト裏に引き上げるヤクルトナインの中で、胴上げが始まると田口は1人両手を上げて万歳を繰り返す。三塁側の巨人ナインと一緒に「エア胴上げ」をしているかのような格好で、その後で拍手を送っていた。
そして大竹の引退セレモニーが終わると一塁側スタンドで優勝争いラストスパートのファンを鼓舞する。明るい性格でチームとファンを盛り上げていた田口のこの姿にはファンも共感し、「良い奴」「胴上げに加わりたかっただろうな」と温かく見守っていたようだ。
亀井・大竹にメッセージも
田口は試合後の24日深夜にツイッターを更新、大竹と23日のヤクルト戦(東京ドーム)が引退試合となった巨人・亀井善行外野手それぞれに向けた気持ちを投稿している。
23日の試合での最終打席で対戦した亀井へは「誰もが頼れるめちゃくちゃかっこいいお兄さん。たくさん勉強させてもらいましたし、ご指導もいただきました」「公式戦では最後の投手となり、おこがましい事ではありますが僕は本当に幸せです」。大竹へも
「寛さんとは巨人軍へ入団した年が同じでした。いつも頼れる頼もしいお父さんです」
「先発から一緒に中継ぎとしてリーグ優勝できた事 何度も何度も野球、投球、練習の事を沢山話で勉強させてもらった事。全てが僕の財産になりました」
と巨人時代の思い出をつづっている。
そして「これからは寛さんの100勝を1つの目標として背中を追わせてください。いつまでも寛さんは僕の目標であり憧れの存在です。本当にお疲れ様でした」と感謝と今後の意気込みで締めくくった。