陸上自衛隊の「マタニティ服」が反響を呼んでいる。中国地方5県を管轄する陸自第13旅団の公式ツイッターが紹介したことがきっかけだ。
妊婦でも働きやすいよう専用の制服を用意していることに、ツイッターでは「素晴らしい取り組みだ」などと称賛が集まっている。
「自衛隊ってマタニティ制服あるんですね!」
陸自第13旅団は2021年10月6日、ツイッターで、「自衛隊のマタニティ服を知っていますか?涼しくて、動きやすいのが特徴です」と紹介した。
投稿された写真には緑色の制帽と、シャツの上からグレーのワンピースを着用した妊婦の隊員が映っている。ワンピースは前ボタン式でゆったりとしたデザイン。お腹の大きさに合わせて調整できるベルトも付いている。
今回の投稿はツイッターで、
「自衛隊ってマタニティ制服あるんですね!優しいですね」
「仕事したい人の環境が整って行くことはいいことだと思います」
「素晴らしい取組ですね」
などと関心を集めている。
18日、J-CASTニュースの取材に応じた陸上自衛隊の広報は、ネット上の反響に、「自衛官にとっては当たり前となっている内容ですので、まさかここまで大きな反響があるとは思っていませんでした」と驚きを表した。
第13旅団はこれまでにもツイッターで「活躍する女性自衛官」として訓練の様子などを紹介してきた。今回の投稿は、駐屯地の女性隊員からのアイデアで行ったもので、
「女性が活躍できるための職場環境が充実していることを紹介したい」
との狙いがあったという。
3年前にリニューアルしたばかり
広報によると、マタニティ服は妊娠時に制服の代替とするもので、「妊婦服」という名前で陸海空それぞれが規定。陸上自衛隊では1996年から導入されている。
話題となったツイートでは「これからは新制服に変わるので、今しか見られない現制服のマタニティ服です」とも伝えていた。紹介された「現制服」は96年導入のものだが、広報によれば、新しいマタニティ服も2018年に導入済み。順次支給が進んでいるという。
新しいマタニティ服の制作でこだわった点を聞くと、隊員の要望をできるだけ反映するため、試作品を作成してアンケートを実施した、と説明。その結果を踏まえて、「体型を選ばずシンプルで洗練された印象を与える『Aライン』(編注:裾広がりのシルエット)」の採用や、腹部の調整ベルトの改良、また「前開き部分をボタンからファスナーへ変更」といった要素を取り入れた。
マタニティ服のほかにも、防衛相では全職員の仕事と育児・介護の両立を目指す各種制度が設けられており、公式サイトに掲載されている「防衛省職員のための両立支援ハンドブック」でその詳細を見ることができる。
なお、今回の投稿で注目を集めた第13旅団公式ツイッターの活動に関して、広報は「自衛隊の隠れた魅力を発信して、一人でも多くの方に自衛隊・第13旅団のファンになっていただけるよう頑張っていきます」と意気込みを伝えていた。