衆院選(2021年10月31日投開票)で立憲民主党などを支援している日本労働組合総連合会(連合)の芳野友子会長が10月22日、東京・丸の内の日本外国特派員協会で記者会見を開いた。立憲と共産党が候補者を一本化するなど協力関係を強めていることについて、芳野氏は「非常に残念」と不快感を示し、「しっかりと指摘をしていきたい」とけん制した。
立憲と共産は、仮に政権交代が起きた際は連立政権を組むのではなく、共産が「限定的に閣外協力」することで合意している。
「共産党の考え方は、連合としては到底受け入れられない」
立憲と共産の関係をめぐっては、自民党の甘利明幹事長が10月14日に
「自由民主主義の思想のもとに運営される政権と、共産主義が初めて入ってくる政権と、どちらを選ぶかという政権選択だ」
などと批判し、両党が反発したという経緯がある。芳野氏の発言は、甘利氏の発言に対する見解を問われる中で出た。
芳野氏は、労組の活動として共産党とは「戦ってきたという歴史的背景がある」として、「共産党の考え方は、連合としては到底受け入れられない」と指摘。連合の方針に言及する中で、立憲と共産の接近を批判した。
「連合の考え方は、これまでずっと一貫している。連合としては、政治方針というものを持っているが、それをきちっとやっていくということだ。連合が支援をしている立憲民主党と共産党との距離感が近くなってきているというところについては非常に残念。連合としては、そこの関係については、しっかりと指摘をしていきたい」