ヤクルトと巨人、明暗分けた「監督の差」 光った投手運用の妙...中5ローテで自滅のGとは対照的

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   プロ野球セ・リーグのペナントレースで、現在の展開を予想できた人は少ないのではないだろうか。2年連続最下位に沈んでいたヤクルトが首位を快走。マジックを4まで減らし、2015年以来6年ぶりのリーグ優勝が間近に迫っている。

  • 原辰徳監督(2014年撮影)
    原辰徳監督(2014年撮影)
  • 原辰徳監督(2014年撮影)

「高津監督でなければこの位置にいなかった」

「青木宣親、山田哲人、村上宗隆を核に、オスナ、サンタナの両外国人が機能し、成長著しい塩見泰隆もリードオフマンに定着。中村悠平も攻守で貢献度が高い。ただ、MVPを挙げるとするならば高津臣吾監督でしょう。壊滅状態だった投手陣を立て直した手腕は高く評価されるべき。高津監督でなければこの位置にいなかった」(テレビ関係者)

   8月まで巨人、阪神と三つ巴の争いだったが、ヤクルトは9月が13勝8敗5分、10月が11勝4敗1分と勢いがさらに加速した。その要因は実績にとらわれず、状態の良い投手を起用する方針がブレないことだ。

   10月の先発投手を見ると、原樹理、高梨裕稔、石川雅規、小川泰弘、サイスニード、奥川恭伸、高橋奎二、金久保優斗と16試合で8投手が登板。チーム最多勝利は奥川、小川の9勝で2ケタ勝利は1人もいないが、奥川は中9・10日の登板間隔をきっちり空ける。

   優勝争いの最中でも負担をかけることはなく、状態の良い投手を投げさせることでハイレベルな競争が生まれている。先発の枚数を固定して夏場から中4・5日で回したことが裏目に出て失速した巨人とは対照的だ。

「ヤクルト黄金時代」再来あるか

   高津監督は現役時代、故・野村克也氏が監督を務めたヤクルト黄金時代の守護神として活躍。日米通算313セーブを記録したそのキャリアは濃い。

   ヤクルト退団後は米国、韓国、台湾と渡り歩いた後、独立リーグ・新潟アルビレックスでプレー。日本、米国、韓国、台湾の4カ国のリーグでプレーした初の日本人選手で、名球会会員が独立リーグでプレーするのも史上初だ。

   ヤクルトに指導者として復帰し、1軍投手コーチ、2軍監督を経て昨年から1軍の監督に就任。様々な環境に身を置き、指導も柔軟だ。目の色を変えているのは1軍だけではない。ファームの選手たちも活躍すれば昇格できるチャンスがあるからモチベーションが高い。関係者は次のように話す。

「今季日本新記録の48ホールドをマークした清水昇をセットアッパーとしての適性を見出し、楽天を戦力外通告になった今野龍太も救援に不可欠な存在になっている。高津監督は適材適所で選手の能力を引き出す手腕に長けている。今年優勝すれば来年以降も黄金時代が続く可能性があります」

   歓喜の瞬間まであとわずか。最後まで気を引き締め、トップギアのまま走り抜ける。(中町顕吾)

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