「タイポグリセミア広告」で大ヒットの事例も
今回の広告で用いられたのは、「みなさん→みさなん」のように、文字を並び替えても語頭と語尾が正しければ読めてしまう「タイポグリセミア」と呼ばれる現象だ。
実は過去にも、同様の手法を用いた企業広告が話題になったことがある。たとえば16年にコペルインターナショナル(東京都中央区)が運営する「コペル英会話教室」が掲出した広告ポスターには、こんな文章が綴られていた。
「おもえば、わたたしち にほんじん も、いつも かんきぺな にほんご を つかてっいる わけ では あまりせん。つっかえたり、いいまちがたえり、ごじ・だつじが あたっり。(以下略)」
18年には富山の老舗和菓子店「中尾清月堂」(富山県高岡市)が、どら焼きのリニューアルに際したキャンペーンを実施。キャンペーンはタイポグリセミアを用いた以下の広告の「間違い」を、消費者にクイズ形式で答えてもらう、というものだった。
「みまなさに だじいな おらしせ。こたのび なかお せいげどつう が ぜたっい に ばれない ように どやらき の リニュアール を おなこい ました」
当時の中尾清月堂のニュースリリースによると、キャンペーン期間中の10日間、過去最高の販売実績となる6万個近いどら焼きを売り上げたという。
太陽巧芸社の担当者は「普通の広告として出すのではなく、(タイポグリセミアを使うことで)元気のない日本を、どうにか笑いにできれば、という思いで掲出しました」と今回の広告のねらいを語った。
まちで なげになく みけかる ここうくも、 よくみたら まがちっている かしもれない。