「みさなん おつれまかでさす。...きづまきしたね?」
JR秋葉原駅(東京都千代田区)近くにある交差点には、こんな文章の看板が設置されている。文字を並び替えても、語頭と語尾が正しければ読めてしまう「タイポグリセミア」と呼ばれる現象を活用した広告だ。
「こりゃ面白れぇ!!!」「日本語ってすごい」
商業施設「ヨドバシAkiba」がある秋葉原駅前の交差点を見上げると、消火栓の標識に吊るされた文字広告が目に飛び込んでくる。何の気なしに読めば、通行人をねぎらっているような文章。しかし、よく目を凝らして見ると、妙な「違和感」を覚える。
「みさなん おつれまかでさす。...きづまきしたね?」
そう、文章が微妙に間違っているのだ。本来は「みなさん おつかれさまです。...きづきましたね?」という文章だろう。そして、その後も次のように続く。
「うえを むいるていと なにしから はけっんが あるでものす。きょうも あたなに いいとこが ありまうよすに」
ツイッター上では、この文章が「間違っているのに読めてしまう」と話題に。「散々通っていたのに見ていませんでした...」「こりゃ面白れぇ!!!」「日本語ってすごい」と反響が広がった。
看板を設置したのは、屋外広告や看板製作を手がける太陽巧芸社(東京都練馬区)。2021年10月19日、J-CASTニュースの取材に対し、太陽巧芸社の担当者はコロナ禍を受けた「広告不況」を背景に、20年9月に看板を設置したと話す。
「秋葉原のヨドバシの目の前のここ(の枠)が空くということ自体が、広告業界的にも『こんなとこまで空いちゃうんだ』みたいな感覚でした。だったら、うちで使おうか、ということで、お借りさせていただきました」
看板の裏面にはQRコードが記載されており、読み込むと太陽巧芸社の公式サイトにつながる仕組みだ。