衆院選が2021年10月19日に公示され、31日の投開票まで続く12日間にわたる選挙戦がスタートした。岸田文雄首相(自民党総裁)が福島市、立憲民主党の枝野幸男代表が松江市を「第一声」の場所に選ぶ一方で、菅義偉前首相は地元の横浜市で第一声をあげた。
菅氏の選挙区は神奈川2区(西区・南区・港南区)だが、演説をしたのはJR戸塚駅前(戸塚区)。神奈川5区(戸塚区・泉区、瀬谷区)から出馬している坂井学氏を応援するためだ。坂井氏は菅氏の側近議員のひとりとして知られ、菅政権では官房副長官を務めた。菅氏は首相退任以降、自らに近い議員を中心に応援演説の回数を増やしている。第一声では、演説時間の半分を新型コロナウイルス対策に費やし、感染者数の減少を背景に支持を訴えた。
「私は、『明かりが見え始めた』と言ったら、ものすごく批判されました」
菅氏は第一声で、約15分にわたって演説。そのうち8分が新型コロナ対策に関するもので、中でもワクチン接種を推進した実績を4分30秒かけてアピールした。
「マスコミは私のことを『ワクチン一本足打法』だと揶揄していた。また、『100万なんかできるわけない』。こう批判した。しかし結果みなさん、どうだったんでしょう?」
などと批判を受けたことに言及しながら、
「そして、この接種が進むにつれて、あの猛威を振るったデルタ株、勢いがなくなってきたじゃないですか!昨日、東京では29人の感染者です。全国でも232人なんです。間違いなく、ワクチンは効くんです!」
と声を張り上げた。さらに、一連のコロナ対策を振り返って
「私は、『明かりが見え始めた』と言ったら、ものすごく批判されました。間違いなく明かりが見え始めて、輝きはじめているんです」
ともアピールした。
神奈川5区には、立憲公認の山崎誠氏も立候補している。
公示前も側近の応援に入る
菅氏は、公示前も各地の応援に入っている。10月16日には、兵庫4区と6区で演説。立候補している藤井比早之(ひさゆき)氏と大串正樹氏は、いわゆる「菅グループ」に所属し、藤井氏は菅内閣でデジタル庁の副大臣を務めた。10月17日は東京18区と25区を応援。25区から出馬している井上信治氏は、菅内閣で科学技術担当相を務めた。武蔵小金井駅から昭島駅に移動する際はJR中央線を利用し、乗客を驚かせた。18日は伊勢神宮に参拝し、三重4区と愛知10区に入った。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)