ANA「空飛ぶウミガメ」最後の1機が成田着 コロナ禍で運休の「ハワイへの足」...稼働へ課題山積

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   全日空(ANA)が成田-ホノルル線に導入した超大型旅客機、エアバスA380型機の3号機が2021年10月16日午後、成田空港に到着した。エアバス社の工場がある仏トゥールーズで10月13日(現地時間)にANAに引き渡され、同15日に出発。約12時間かけて飛来した。

   ANAはA380を3機発注しており、これで全機がそろったことになる。ANAのA380は19年に導入が始まり、ハワイ観光のための大量輸送を担うことになっていた。しかし、新型コロナウイルス禍の影響で20年春から定期便としては運休が続いており、最近では国内の遊覧飛行が主な活躍の場だ。21年のお盆には久々にホノルル便に「再登板」したが、帰国後の隔離期間の問題もあって、引き続きハワイ行きのハードルは高い状態。3機がフル稼働するまでには時間がかかりそうだ。

  • 成田空港に着陸した全日空(ANA)のエアバスA380型機3号機。ハワイの「夕陽」をイメージしたサンセットオレンジで彩られている
    成田空港に着陸した全日空(ANA)のエアバスA380型機3号機。ハワイの「夕陽」をイメージしたサンセットオレンジで彩られている
  • フォトセッションの途中で3号機の後ろを1号機が離陸する一幕もあった
    フォトセッションの途中で3号機の後ろを1号機が離陸する一幕もあった
  • A380型機は、エアバス社の工場がある仏トゥールーズから約12時間かけて飛来した
    A380型機は、エアバス社の工場がある仏トゥールーズから約12時間かけて飛来した
  • 成田空港に着陸した全日空(ANA)のエアバスA380型機3号機。ハワイの「夕陽」をイメージしたサンセットオレンジで彩られている
  • フォトセッションの途中で3号機の後ろを1号機が離陸する一幕もあった
  • A380型機は、エアバス社の工場がある仏トゥールーズから約12時間かけて飛来した

ハワイの「夕陽」イメージしたサンセットオレンジで彩る

   A380は総2階建てで、乗客520人を乗せることができるのが特徴。ANAのA380には、ハワイでは神聖な生き物だと考えられているウミガメのハワイ語の愛称「ホヌ」にちなんで、「空飛ぶウミガメ」の意味を持つ「FLYING HONU」(フライングホヌ)という愛称がついている。1号機はハワイの「空」を連想させる、ANAのイメージカラーでもある濃いブルー、2号機はハワイの「海」をイメージしたエメラルドグリーンが特徴。3号機はハワイの「夕陽」をイメージしたサンセットオレンジで彩られ、目をパッチリ開けた表情が印象的だ。

   1号機は19年3月、2号機は同5月に成田空港に到着。ハワイへの足として就航したが、20年3月25日にホノルルから成田に戻った便を最後に定期便としては運休が続いている。3号機は20年4月に納入予定だったが、新型コロナの影響で延期されていた。3号機は10月16日(日本時間)1時10分に現地を離陸し、成田空港に12時55分に着陸。多くの報道陣や関係者に迎えられた。

   ハワイを訪れる観光客数は回復途上だ。ハワイ州観光局の統計によると、空路で19年6月にハワイを訪れた人は94万7112人だったが、コロナ禍の影響を受けた20年6月は1万7068人。移動制限が緩和された21年6月には79万1053人にまで回復した。その多くが米国本土からの観光客で、「コロナ前」の83.5%の水準だ。

   一方、日本からハワイを訪れた人は、19年6月が12万6592人、20年6月が40人、21年6月が1859人と推移。21年6月の人数はコロナ前の1.5%に過ぎないが、1年前と比べれば46倍になっているとも読める。需要が回復しつつあるのも確かで、ANAでは21年8月にA380を成田-ホノルル線で2往復させている。

   日本からハワイに行く際には、事前に医療機関で陰性証明書を取得すれば自主隔離の対象外だ。しかし、帰国後は引き続き14日の自己隔離が必要。米国内の移動は大幅に回復しており、国境を越えた往来のハードルが下がる時期が焦点だ。

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