立憲民主党は2021年10月13日、衆院選向けの政権公約を発表した。立憲はこれまで、分野ごとに10回に分けて公約を発表してきたが、改めて内容を政策パンフレット(公約集)としてまとめた。
再分配を重視する方針を「『1億総中流社会』の復活」として掲げ、引き続き新型コロナ対策も重視する。「『批判ばかり』とは言わせません」と題したページも設け、政策立案能力もアピール。コロナ対策では、立憲が提案した政策を政府が次々に採用しているとして、枝野幸男代表は「抱きついていだけるなら歓迎なので、全部抱きついていただければ一番いい」などと述べた。
「『批判ばかり』とは言わせません」と政策立案能力アピール
「政権政策2021」と題して発表された全14ページの公約集は、(1)新型コロナから命と暮らしを守り抜く(2)「1億総中流社会」の復活(3)原発に依存しないカーボンニュートラル(4)暮らしの安心への投資(5)多様性を認め合える「当たり前の社会」(6)平和を守るための現実的外交(7)まっとうな政治、の7つが柱。(1)では医療・介護への支援や、生活支援策を掲げた。(2)では法人税の最高税率を引き上たり金融所得課税を強化したりして再分配を強化する。(7)では、森友・加計問題を念頭に、透明性を高める。
最後の2ページを「『批判ばかり』とは言わせません」と題して、政策立案能力のアピールにあてた。21年の通常国会では議員立法として46法案を提出し、そのうち18法案が成立したことを指摘したほか、新型コロナ対策では、
「政府・与党は、私たちの提案を遅れて採用するなど後手に回っています」
と主張した。さらに、事業者支援(持続化給付金)など13項目について、立憲が提案した日と政府が採用した日の一覧表もつけた。
自民党政権とのコロナ対策の違いを問われた枝野氏は、
「2年間(立憲が)言い続けて来たのにやらなかったことを、選挙が近づいたら抱きついてきている。1日1日を争う話で、抱きついていだけるなら歓迎なので、全部抱きついていただければ一番いい」
などと述べた。枝野氏は現時点での違いとして、立憲はPCR検査の抜本的拡大と水際対策の強化を訴えている点を挙げた。
「まぁ、あえて言えば『逃げ恥』解散ですかね」
枝野氏は、衆院選の争点として、(1)コロナ対策(2)経済政策(3)「まっとうな政治」の問題(4)選択的夫婦別姓、の4つを列挙。5つ目として、岸田文雄首相が掲げる政策が後退していることを指摘し、
「ブレ続ける岸田総理を選ぶのか、4年前を含めて一貫している枝野を選ぶのか」
と訴えた。
衆院解散を「●●解散」と名付ける恒例の質問には、次のように応じた。
「あまりそういうところで気の利いたことを言えるタイプではないので、むしろ国対委員長(平野博文氏)などに聞いていただいた方が気の利いたことをおっしゃるんじゃないかなぁと思いますので、そっちに譲りたいかなぁ、という風に思いますが、まぁ、あえて言えば『逃げ恥』解散ですかね」
逃げるように解散するので「逃げ恥」なのか、人気ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS)にちなむものなのか、必ずしもその意図ははっきりとしない。現場の党関係者や記者からは
「『逃げ恥』ってどういう意味なんだろう?」
といった声があがり、釈然としない様子だった。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)