サッカーの日本代表は2021年10月12日、埼玉スタジアムでオーストラリア代表と対戦する。ワールドカップ(W杯)アジア最終予選でまさかのスタートダッシュに失敗し、初戦のオマーン、第3戦のサウジアラビア戦を落とした日本。国内メディアから森保一監督(53)の進退に関する報道が相次ぐなか、アジア各国でも森保監督の進退が注目されている。
日本はW杯アジア最終予選でここまで1勝2敗、グループ3位と苦しい戦いが続いている。オーストラリア戦の結果次第では森保監督の解任問題が現実味を帯びる可能性があり、7大会連続本戦出場を目指す森保ジャパンが正念場を迎えている。
豪州監督「彼(森保監督)は素晴らしい人間です」
日本と同じグループで首位に立つオーストラリアのメディア「The Sydney Morning Herald」(WEB版)は、12日のオーストラリア戦で日本が勝てなかった場合、森保監督が解任される可能性があると伝えた。
同メディアはオーストラリア代表を率いるグラハム・アーノルド監督(58)に、日本が置かれている状況や森保監督の進退問題についてのコメントを求めた。
アーノルド監督は現役時代の97年にJリーグ・サンフレッチェ広島に所属し、森保監督とは元同僚の間柄。気心の知れた関係にあるアーノルド監督は森保監督を「彼は素晴らしい人間です」と評し、進退問題については考えていないとした。
中国メディア「日本の世論は爆発する」
さらにアーノルド監督は「彼は日本で素晴らしい仕事をしましたが、いくつかの敗戦があり、それが監督としての厳しい現状につながっている」との見解を示した。
日本と同じグループの中国メディアは、日本がオーストラリア戦で勝つことが出来なければ、森保監督の解任の可能性は90%だと伝えた。
中国メディア「新浪体育」(WEB版)は、「森保監督はプレッシャーにさらされ、日本の世論は爆発する」などの見出しで記事を展開。日本はアジア最終予選で1勝2敗、この3試合で1得点しか挙げていないことを指摘し、1982年のワールドカップ予選以来、最悪のスタートだとしている。
そして監督の進退問題に関しては、日本サッカー協会の田嶋幸三会長はサウジアラビアとの試合前に森保監督の続投を公に支持していたが、今は監督を交代する準備が必要だと指摘した。
また、日本と長年のライバル関係にある韓国メディアは、日本代表の状況を辛辣な表現で伝えている。
韓国メディア「日本の尻に火が付いた」
韓国の主要メディア「朝鮮日報」(WEB版)は、「最初の試合2敗で予選通過0%、日本の足の甲に火が落ちた」とのタイトルで記事を掲載した。
記事は、3試合1勝2敗、日本の尻に火が付いたと書き出され、日本は崖っぷちに立たされたと指摘した。
さらにスポーツ報知(WEB版)が10月9日に報じた「98年フランス大会以降、初戦から3試合で2敗以上を喫したチームの予選突破はひとつもなく、予選突破率は0%」との記事を紹介し、森保監督の解任説が出ていると伝えた。
そして12日の一戦に関しては、日本が国際サッカー連盟(FIFA)ランキングで26位と、オーストラリアの32位を上回るが、オーストラリアが圧倒的に優位だとしている。
アジア最終予選グループBは12日に日本が首位オーストラリアと対戦し、13日にサウジアラビア対中国、オマーン対ベトナム戦が行われる。