「企業努力のみではもはや限界」 牛タン専門店が一斉値上げ、いったい何が起きているのか

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「牛タンを食べたほうがいいのか、それとも...」

   牛たんの本場・仙台でも、値上げの動きが相次いでいる。

   宮城県内を中心に展開している伊達の牛たん本舗(仙台市)は8月26日、「極上芯たん」「厚切り芯たん」などのメニューを15~25%程度値上げすると発表。価格改定のお知らせには、こんな文章が綴られている。

「弊社としましては、コストの高騰を吸収するべく様々な努力を重ねて参りましたが、企業努力のみではもはや限界に達し現行価格を維持することが困難な状況となりました。つきましては、誠に不本意ではございますが、下記のとおり価格改定を実施させていただくこととなりました。これまでどおりの品質を維持するため、苦渋の決断となりましたこと、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます」

   また、チソー食房(宮城県仙台市)が展開する牛タン専門店「たんや善治郎」は、10月からの一部ランチメニューの値上げを発表。1975年創業の喜助(宮城県富谷市)も10月18日からメニューの値上げを予定する。

   宮城県内で牛タンの飲食・物販店を手がける15社が加入する「仙台牛たん振興会」(以下、振興会)の小野博康事務局員は10月6日、J-CASTニュースの取材に対し、やはり「需給バランスの崩れ」が仕入れ価格の高騰を招いたと説明。特に人口の多い中国での消費拡大が、大きな影響を与えているとした。

   長年、仙台名物として親しまれてきた牛タン。小野氏は「各社とも損益分岐点ギリギリのライン。削りに削って、値段をある程度抑えている」と話す。

「自分たちの商品を卑下するわけではないですが、これ以上値段が上がると、果たして牛タンを食べたほうがいいのか、それとも上寿司(高級寿司)やうなぎ、フカヒレを食べたほうがいいのか...と、(比較対象が)料理の中の『最上位』にまで上がってしまう。お金持ちの方しか食べられないような値段にしてしまうというのは、非常に抵抗感があります」
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