SNS文化との「化学反応」に期待
2021年9月17日に、第35回の募集がはじまったサラリーマン川柳。東京オリンピック・パラリンピックが終わり、国民のワクチン接種が進んでいる。一方で、人々は相変わらずマスクをつけ、飲食店の時短要請も継続。生活がコロナ前に戻っているとは言い難い状態だ。それでも、第一生命の担当者は今回も「サラ川」らしい句が集まることを期待している。
「コロナ真っただ中での開催となった第34回でもこれだけ思わず笑っちゃう句が出てきたので、きっと明るい句がいっぱい来るだろうなと期待しています」
新たなサラ川の可能性を模索するため、始めた企画もある。「若者言葉で一句詠む 『イマサラ』」だ。20代を対象に「若者言葉」を盛り込んだ作品を募集するというもの。作例としてあげられているのは、こんな句だ。
「ウェブ飲み会 同期が突然 フロリダへ」
「フロリダ」とは、「風呂(フロ)でやりとりから離脱(リダつ)する」を意味する言葉。応募作品はサラリーマン川柳の公式ツイッター、インスタグラムで公開する。
第一生命は16年に20代限定企画の「U-29 サラ川グランプリ」、19年、20年にはこちらも20代限定で、写真を使った川柳コンクール「#フォトサラ」を実施。若い世代に川柳の魅力を知ってもらおうと、力を入れてきた。
期待するのは、若者が慣れ親しむSNS文化との化学反応だ。ツイッターでは1ツイート140字の文字制限があり、LINEでは「OK」「了解」など短文でのやり取りが当たり前になっている。
「短文で思ったことを発信するというのは、一周回って川柳とリンクする。自分の伝えたいことを短く表現することで、改めて若い方達にも、楽しんでいただけるのではないか」(第一生命の担当者)
若者の「感性」にも期待を寄せている。
「これまでのサラリーマン川柳といえば、上司・部下間の悲哀や、家庭内、夫婦内の話が定番でした。それだけではなく、新しく若い方のアイデアも取り込みながら、サラ川をどんどん進化させていきたいです」
第35回サラリーマン川柳、「イマサラ」の応募は10月29日まで。いずれも第一生命の特設サイトで受け付ける。
(J-CASTニュース記者 佐藤庄之介)